この怖い話は約 4 分で読めます。

125 5/11 2007/07/24(火) 17:24:52 ID:sqRAKzeK0
19時40分。
部長達がテントに戻ってきた。2人だけで。部長とDだけだった。
Dはなにやらぐったりしており、部長が肩を貸していた。
これはただ事ではないと感じた副部長と俺。Dをテントに寝かす。気を失ったようだ。
真っ青になっている部長から話を聞く。
部「やばい・・・やばかった。女の子の連れが居る2階の教室まで行ったが、2人共倒れてた。すぐに駆け寄ったが、そこで何かがきた。」
俺「何かって・・・なんです?」
部「分からない。何かが後ろから迫って来るのがわかった。
Cがすぐに写真を撮ろうと振り返ったが、シャッターを押す前にCの動きが固まった。
顔が恐怖に引きつってた。カメラを落としてガクガクと震え始めた。
女の子も後ろを見て震えてた。口をパクパクさせて、声も出ないようだった。」

副部長と俺にも、部長の恐怖が伝わってきた。何かがいた。何だろう。何がいたんだ?
部「背後から迫ってくるものを感じて、俺はこう思った。これは見てはいけない、見たら動けなくなる、と。それをDにも言った。だが少し遅かった。」

126 6/11 2007/07/24(火) 17:25:34 ID:sqRAKzeK0
部「Dもその何かを見た。でも完全に見たわけじゃないようだった。見ての通り、なんとか動ける程度で済んだ。」
俺「女の子とCは完全に見てしまったのですね・・・その何かを。」
副「それじゃ、・・・全部で4人か。まだその教室に?」
部「あぁ。俺だけじゃ、まだ動けるDを連れ帰るだけで精一杯だった。すまん・・・。」
謝る部長。いい加減なサークルだが、部長としての立場もあるのだろう。

俺「4人か。行って、連れ帰らないと。その何かは、見なければ平気なんですよね?」
部「平気だった。振り返らなければ、戻って来れた。」
副「すぐ助けに行こう。でもDだけ置いていけないから・・・お前、ここでDと待っててくれないか?部長と行ってくる。」
また蚊帳の外。
非常に残念・・・でも、少し安心してしまった俺。
まぁ・・・分かるだろ?さすがに怖いからさ。

127 7/11 2007/07/24(火) 17:26:16 ID:sqRAKzeK0
20時。辺りは真っ暗だ。部長と副部長が廃校に向かう。
目的は4人を連れ帰ること。俺はDとテントで待機する。

20時10分。Dが気が付く。
俺「おい、D、大丈夫か?」
D「ん・・・ああああっぁ・・・、あぁ、ここは・・・テントか。オレ、どうやって戻ってきたんだ?」
俺「部長が連れ帰って来てくれたよ。なにやら大変なことになっちまったな。
今、副部長と2人で4人を助けに行ってる。」
俺は部長から聞いた話をする。
D「あぁ、そうか・・・そうだ。まったく大変なことに・・・」
と、突然Dが驚いた顔をする。
D「おい、今、なんていった?部長が・・・?」
俺「ん?部長が肩貸して、お前を連れてきた。で、副部長と一緒にまた向かった。落ち着けよ。何か飲むか?」
D「バカな・・・ありえない!全員見たんだ。アレを!部長だって見たんだ!」
俺「え・・・?」
D「Cも女の子も、部長もアレを見て倒れたんだ!オレはなんとか外まで這うように逃げて・・・そこから覚えてない・・・!」
129 8/11 2007/07/24(火) 17:26:48 ID:sqRAKzeK0
俺「でも、確かに部長がお前を連れて・・・じゃあ、あれは誰だよ!?確かに部長だったぞ?」
D「・・・副部長は、その、部長と行ったのか?」
俺「あぁ、4人を助けに・・・」
D「副部長が危ない・・・!すぐに行こう!」
俺「でもほら、部長はすぐに気が付いて、お前を連れ帰ってきただけかも知れないだろ?」
D「何言ってんだ!部長は「見てない」って、嘘付いてるじゃないか!見てるんだよ!なんで嘘付く必要があるんだ?」
俺は混乱した。話が分からない。いや、分かりたくなかっただけかも。
とにかく、Dが気が付いたのだから、もうここで待ってなくても良い。
俺とDも廃校へと向かった。

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bronco

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