Categories: 洒落怖

絶対に入ってはいけない温泉

この怖い話は約 3 分で読めます。

次の日の夜Bは死んだ。
昼間には俺たちの問いかけに反応するまで回復したのだが夜になり容態が急変、そのまま亡くなった
Aに俺の経験したことと伝えこれは間違いなく祟りだろうと伝えた。
Aは昨日の晩風呂に入る前に俺から電話が掛かってきて助かってたが祟りだろうという認識は一致した
しかもAはBの妹からとんでもないことを聞いていた。
Bはあの温泉に行って足湯につかった時、何者かに足を掴まれていたという。
Bは俺らを不安に思わせないよう黙っていたのだろうか
Aと俺は強い責任を感じた。タブーではなくなっているというデマを教えてしまったA、そもそも最初に行こうと言い出した俺
結局それで一番関係のないBを巻き込み死なせてしまったのだ

Bの家族にこのことを伝えたらどんな顔をするだろう、Aと俺は然るべき時が来るまで黙っていようということで一致した
しかしBの妹が誰かに吹聴したのだろうか、Bが例の温泉の祟りで死んだということは田舎のこの町に噂としてあっという間に広がっていった
それは勿論あの日俺が風呂で失神していたのを救出した俺の両親に耳にも入ることになった
しつこく問い詰められた俺はついにあの日3人で例の温泉に行ったことを白状することになった

544 温泉 sage New! 2012/08/29(水) 18:44:13.00 ID:mEGWTIIw0
すぐにAの家族、Bの家族、俺の家族と地元の温泉連合の人たちが集まることとなった
Bの母親は俺とAを白い目で見つめていた
連合会長の爺さんに会合が始まるや否や「お前はあれほど立ち入るなと言ったのに!」と怒鳴られた
連合の人たちから「あの温泉の怨念は弱まるどころか年々高まっており、観光客が立ち入ってしまうのもそのためだ。
立ち入った観光客は何者かに引き寄せられるかのようにあの温泉に入ってしまったと皆話している」と聞かされた
そしてあの温泉の名はこちらの地方の古い方言で「二度目、再び」という意味であり、祟りも2度あの温泉に立ち寄ったものに降り注ぐというのだという
会長さんは「Bは1度目か2度目か知らないがなにかあの温泉の霊たちにとって気分を害することをしてしまったのかもしれない」と言った

更にお袋からもとんでもないことを聞かされた
小さい頃俺らが温泉に入ろうとしてたまたま通りかかり俺らを連れ戻したトラックに乗ったおっさん
あの人はてっきり地元の人だと思っていたが、お袋によればあんな人は見たことなく、当時もAとBの母親と不審に思っていたという
そして連合の人に相談しもしやと思い例の温泉の事故によって亡くなった人の写真を見ていくと、おっさんとよく似た人物がいたのだとか
「あの温泉に立ち入るなとわざわざ警告してくれた・・・それなのに・・・」お袋は泣き崩れた

連合の人によればこの地からなるべく離れること、お払いされた桶を渡すからそれを風呂場だけではなく事故の危険がある水場の近くに行く時はなるべく持ち歩くことが祟りを絶つ方法だと教わった
俺と両親はこの地を離れる覚悟をした。

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bronco

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