この怖い話は約 3 分で読めます。

その道の先は、普通の畑になっていた。
その畑の中に、土饅頭のように盛り上がった場所が何カ所かあり、
その中の一つの上に、浴衣を着たオッサンが裸足で立っているのが見えた。
そのオッサンは、うつむいて何かブツブツつぶやいている風だったが、
突然頭を持ち上げると、

「うぅぅぅうおうぅぅぅおうぅぅぅ~~~」

と唸り出した!
先程から聞こえていた唸り声の主はこのオッサンだったのだ!
余りの異様さに、俺の目はオッサンにクギづけになっていたのだが、
Bが、土饅頭の麓で蠢く何かに気づいた。

「なあ、あそこで動いてるの、赤ババアだよ~~」

277 赤ババア続き sage 2007/08/28(火) 18:51:31 ID:POn/DGo90
言われて見てみると、確かに赤ババアだった。
赤ババアが土饅頭の麓で横たわって、オッサンの唸り声に合わせてゴロゴロと転がっていたのだ。
もう、何が何だか訳が分からなかった。
何でオッサンは土饅頭の上で不気味な唸り声を上げているのか?
何で赤ババアはその麓で転げまわっているのか?
俺達3人は、何も喋ることもできず、植木の陰で呆然とその異様な光景を眺めていたのだった。

暫く、そうして浴衣のオッサンと赤ババアを眺めていたのだが、突然背後から、

「ブッ!」

という音が聞こえた。
俺はAかBが屁でもこいたのだろう、こいつら余裕あるな、等と感心していたのだが、
更に立て続けに

「ブッ、ブッ、ブッー!」

と屁のような音が聞こえてきた。
さすがに違和感を感じたので、振り返ってみると、俺達のすぐ後ろに、
グレーの作業着を着たじいさんが立っていたのだった!
浴衣オヤジと赤ババアに気をとられていたため、じいさんが背後から接近してきていることに
全く気付かなかったのだ!!

278 赤ババア続き sage 2007/08/28(火) 18:52:59 ID:POn/DGo90
じいさんは無言で立っていた。
じいさんは俺達の方に顔を向けているが、視線は全く泳いでいて、
誰を見ているのか、何を見ているのか、さっぱり見当がつかなかった。
それが物凄く怖かった。
そして、じいさんは、言葉を発するかわりに、

「ブッ、ブッ、ブッー!」

と屁をこいていたのである!
俺達は、一目散にその場から逃げた。
道も植木も畑も関係なく、とにかくダッシュで逃げた。

「うぅぅぅうおうぅぅぅおうぅぅぅ~~~」
「%#ぎ!¥?>$”’=#ぐ!!!!~~~~!!!!」

浴衣オヤジの唸り声と共に、赤ババアの金切り声が聞こえてきた。
俺達はとにかく走った。
が、そこは谷間。
すぐに反対側の斜面に行く手を遮られてしまった。
仕方ないので、斜面にそって、あてずっぽうに走る。
どこか斜面の上に通じる道はないかと、探してみるが、こちら側の斜面はより傾斜が急で、
登れそうな所が中々見つからない。
その代わり、斜面にぽっかり開いた穴があるのが目に入った。
何故だか分からないが、俺達は吸い込まれるように、その穴に入ってしまったのである。

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