この怖い話は約 3 分で読めます。

次は右折方向だったし、さっきの変な人の事も忘れかけてた。

で、それから2~30分ほどギャーギャー遊んで帰路についた。

家の敷地に向かって、右側に細い路地があって、その右隣は空き地だった。

要するにその道を挟んだ向こうは空き地。で、その木は道路のすぐ傍の手前角にあるわけ。
だから家に帰る(敷地に入る)時にはどっから来ても否応なしに視界に入る。

154 本当にあった怖い名無し sage 2012/09/13(木) 03:31:52.50 ID:0q+/S2+wO
いたんだ。

さっきのあの女の人が、同じ場所で、同じ体制で、最初見た時と何ら変わらない様子でうつ向いて立ってる。

えっ?て思った。さっきの人帰ったんじゃなかったのって。

何より、うつ向いてるのに何だか見られてる気がした。こっちを見てる気が。
ああいう時って子供でも割と冷静に思ってるもんで、得体の知れない何かがこっちに来ないよう願いながら、敷地入口までは普通に歩いてた気がする。

でも敷地に入ったら、ウチの敷地はあいにく砂利だらけ・・・
大きな音を立ててその人に気付かれたらと思うと怖くて、なるべく大きな音を立てない様にと一歩一歩踏みしめるように歩いた。

すごく長く感じた。一歩歩くのにこんなに気をつけた事は未だかつてない・・・。

気をつけて歩くのに必死になりながら、ようやく駐車場半ばまで来た。その距離多分10メートル位。もう少しだ、もう少しでお家入れる・・・

ふと何かを感じた。
何かわからないけど怖い、気持ち悪い。見られてる気がした。

あの人だ。絶対そうだ。

余計な事をしなければいいのに、怖いもの見たさで恐る恐る振り返った。

あの女の人が細い路地側の塀からこっちを見ていた。

目から上だけを出して見ていた。

155 本当にあった怖い名無し sage 2012/09/13(木) 04:01:54.11 ID:0q+/S2+wO
凍り付いた。

目しか出てないのに笑ってるのがわかる。

恐怖のあまり泣きそうになりながら音も関係なく残りの砂利道を走った。
玄関は塀のある方に設置されてるから恐ろしくて塀側になんか行きたくない。

でもウチは幸い、敷地入口から丸見えのど真ん前の角部屋だし、ガラスの引き戸が真ん前にあったので、そこから入る事にした。

サンダルも脱がずに家の中に飛び込んだ際、よせばいいのにやっぱり気になって振り返ってしまった。

するとあの女の人があの木の下の時とまた同じ体制で駐車場の真ん中で、砂利の上に立ってたんだ。

自分以外の砂利を踏む音なんて聞こえなかった。ていうか立ってるんじゃなくて若干浮かんで見えた。しかもこっちに向かって進んでくる。
歩いてないのに進んでる。

恐怖のあまり泣けなくて、でも恐ろしくなって殺されると思って家中の鍵を閉めて布団の中に隠れた。

布団に入って初めて泣いた。
しばらくは聞き間違いか何かわかんないけどずっと家の周りで、
「ア”―――――ア”――――ア”――――――――ア”――――」
って聞こえてた・・・

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