Categories: 犬・猫、動物

クラシマヒサユキ

この怖い話は約 3 分で読めます。

888 885-4 sage 2011/03/27(日) 02:25:38.27 ID:wF+rFQBE0
「あの人だれなの?どうして一緒だったの?」
Aさんは、下を向いて何もいわないので、
「あの子はAさんの弟だよ。」と代わりに私が答えました。
すると母はすごい目で私を睨んで、
「バカなこと言うんじゃないの。あの人は大人の男の人でしょう」
びっくりしたのは私のほうでした。母なにいってるんだろう?と思いました。
「Aさん、あの子は弟だよね、猫とりに来たもんね。」
すると母は、なにアンタも知ってる人だったの?なんなのあの人?説明しなさい!
とか怒り出しました。
Aさんは、私の母に一緒にトイレに行って欲しい、と言いました。
泣いてばかりなので仕方なくAさんと連れ立って母はトイレに行きました。

随分長く、二人は帰ってきませんでした。
私も不安になり、もう限界だーっと思った頃、母とAさんは席に戻って来ました。
Aさんも母も青い顔をして、何も話さず、店を出て、
家に帰るのかと思ったら、私だけ家に置かれ、母とAさんは何処かへ行ってしまいました。

母が帰ってきて、私はAさんのことを尋ねました。
「あの人は親戚なんだって、一緒に住んでいるらしい。でもおかしな人だから、
あんたは絶対関わっちゃダメ」と言いました。
「何年生?」と聞くと、
「だから子供じゃないって言ってるでしょ!」と怒り出し、私はそれ以上何かを聞く事は出来ませんでした。

890 885-5 sage 2011/03/27(日) 02:26:47.15 ID:wF+rFQBE0
そのことがあってすぐ、ある朝、うちの玄関に、仔猫の首が置いてありました。
見覚えのある、あの男の子にあげた猫たちでした。
でも、うちにいた兄弟猫はもっと大きくなってる。
玄関に置かれた猫の首は、まだ小さく、貰われたときと変わらないほどでした。

両親は学校に電話したり、なにか相談しあったり、家の中がおかしな空気になりました。
そんな時、弟が、
「おれ【ひさゆき】と話した」
と言い出しました。 ひさゆき、それがあの男の子の名前でした。
「どこで?」「学校で」
ひさゆきは、あの猫たちは私たち姉弟の身代わりになったといった、
本当は私たちが事故で死ぬ筈だった、助けるには、なにか一番大切なものを壊さなければいけないといった
弟はそう話し、なにかすっかり【ひさゆき】が好きになってしまったようでした。

私はもう6年だったし、それが異常な話なのはわかりました。
学校を休みがちになったAさんを見かけ、無理やり話しかけました。
「あの子は本当は子供じゃないの?なんなの?」とかそんなことを。
すると、「ひさゆきは子供じゃない、ひさゆきはひさゆきで、私とも関係ない」
急に怒り出し、私は突き飛ばされて叩かれて、喧嘩みたくなってしまって終わりました。
そしてそれから、今に至るまでAさんとは会っていない。
家族みんな引っ越した、とか、精神病院にはいっている とか、
不穏な噂が学年で流れ、「ひさゆきに連れて行かれた」という学校の七不思議みたいな感じになりました。

Page: 1 2 3

bronco

Share
Published by
bronco

Recent Posts

迷い

霊とかとは全然関係ない話なんだ…

4年 ago

血雪

全国的にずいぶん雪がふったね。…

4年 ago

母親の影

私が小6の時の夏休み、薄暗い明…

4年 ago

閉じ込められる

彼はエレベーターの管理、修理を…

4年 ago

彼女からの電話

もう4年くらい経つのかな・・・…

4年 ago

テープレコーダー

ある男が一人で登山に出かけたま…

4年 ago