この怖い話は約 3 分で読めます。
「大丈夫だ」
とは言ってくれたけど、やっぱどうしても怖かったんだよね。
けど、釣り好きだから、また懲りずに夜釣りへ出かけました。
坊さんからは何か変なお守りらしきのを貰っていたし。
何て言えばいいのかな、木を本当に薄くスライスしたものみたいなのに文字が書いてあるやつ。
確か三文字くらいだったかな。
勿論、漢字。
梵字ではなかったと思います。
夜釣りをしていると、あ、この時は伯父さんも一緒です。
爺ちゃんも一緒。
静かな海だったな。
凪は落ち着いてて、ウミタナゴがよく釣れました。
爺ちゃんが釣りをしながら俺に話しかけてきたんだけど
「どこらへんで○○を見たんだ?どのあたりだ?」
って言ってきました。
○○の名前は思い出せない。
人名ではなかった。
何かモノの名前だと思う。
きっとそれは立っていた人のことなんだろうけど何だったかな。
何か思い出せないの嫌だな。
俺は
「あのあたり」
って言って海の真ん中あたりを指しました。
人差し指では注さずに、目線で以ってさした。
人差し指でさすとね、何かまた怖いこと起きるんじゃないかって思っちゃって。
完全にビビりですね。
「そうか・・・」
って爺ちゃんが言って、涙ぐんでました。
そんな爺ちゃんを見るのが初めてだったから、ビックリしたんだけど、そこで伯父さんが
「いいから、いいから・・・」
って言って無理やり俺に釣りを続けさせました。
釣りから帰ってくるとすぐに婆ちゃんから
「早く盆棚に拝んできなさい」
って言われて、盆棚に拝みに行ったの。
また夜で、怖かった。
斜め隣がどうしても気になっちゃうんだよね。
父ちゃんが俺の隣に来て、昔の話をしてくれました。
父ちゃんが経験した話。
前記したとは思うんですが、おんぶされたってやつね。
「父ちゃんはいきなりな、誰かにピョンって飛び乗られたみたいに重くなってな、動けなくなってな
「腹っこ・・・腹・・・取ってけっつぇ・・・」
って言われたんだ。
お前ももしかしたらこういう言葉を聴いたかもしれないな。
けどな、それを怖いと思っちゃいけないって爺ちゃんに言われたんだぞ。
まあ無理だよな、確かに怖いしな。
怖いかもしれないけど、ここの地域にそんな悲しい話があったんだ。
それを覚えておけば怖いとは思わなくなるさ」
みたいな感じのことだった。
今思うと、襖開けたくせによく言うわって感じなんだけどね。
しまりのない後日談はこんな感じです・・・
ちなみに、分かっている事は飢饉があったという事。
さっき調べましたが、岩手県って冷害が結構あったらしいです。
東北地方の沿岸部は季節風の『やませ』というのが吹きます。
それが続いて吹くと農業も漁業もうまくいきませんので。
『やませ』は必ず毎年吹くものなのですが、度合いが違います。
また、飢饉以外にもそれを超える出来事がありました。
詳しく書くと地域を特定されてしまう為に省略しちゃうけど。
綺麗な自然とは対照的に過去にはたくさん悲しいことがあった土地なんだよね。
その地域自体は大好きなところだけど。
あと、やたらと地域のつながりが強い。
意味不明な神事らしき事をよくしていた。
誰かが死んだらは絶対に魚、肉、ネギ類は食べない。
あんまり俺の体験とは関係ないかもだけどね。