この怖い話は約 3 分で読めます。

嫌な感じがしたので、私はスピードを落とし徐行しました。
嫌な感じはさらに増しました。
「何か違うな、戻ろうか、、、。」
私がそう言うと、茅野君も同意しました。
道幅が狭いので、Uターン出来る場所を探すと、、、、。前方のその白い車の先は、少し広くなっているようです。
私はそのまま車をすすめ、白い車に4・5mの所まで近付きました。そして、ライトを上向きにして、、、車を照しだしました。廃車のようです。
フロントグラスが割れ、車体には蔦が絡んでいます。
そのとき、、、、背筋をぞーーっと冷たいものが走りました。
「これは!」
近付かない方が良いようです。私がブレーキを踏もうと思った瞬間、茅野君が、
「うわっ、ダメ! 止って! 戻ろっ!」
と叫びました。
茅野君も同じものを感じたようです。
「バックで戻るぞ!
そっちの路肩、見てて!」
私は、車を後退させ、そのまま砂利道を抜けました。
そして舗装路にもどると道幅も少し広がり、なんとかUターンすることが出来ました。
来た道を逆に戻ると、途中で別の迂回路を見つけました。未舗装なので、路地と勘違いし、さきほどは見逃していたようです。
道を確かめていると、通行止の方から、地元のものと思われる軽トラックがやってきました。そして、その道へ入って行きました。
「それ、ついて行くぞ。」
1分ほど、ついて走ると、元の道へぶつかり、まもなく馬場君宅が見えました。

着くと、まず、先ほどの道について、馬場君に尋ねました。図を書いて、例の廃車の位置を示すと、、
「あれ? その道、高速道路にブチ当たって行き止まり、のはずだよ。
高速の壁とか、見えなかった? おれは、行ったことないけど、、、
でもさぁ、その辺の道って、両脇が畑だったりするからな。路肩が崩れたりすると、、ハマルかもなぁ、、」
馬場君にはわからないようです。
するとバンドのメンバーの後藤君が口をはさみました。
「その廃車の先、、道、、ありました?俺、バイクでそこの道に入り込んだことがあるけど、、、廃車で行き止まり、、その先は薮になってたはずですよ。昼間だったから辺りもよく見えたし、、、、。
でも、へんだなぁ、その廃車のところのおよそ10mだけが舗装、、
いや、アスファルトでなくコンクリート敷きだったな、、、
あ、そうそう、、、近くに廃屋がありませんでした?
見るからに、お化け屋敷ってやつ、、、そうか、夜だと判らないか、、。
でも、確かに、嫌な感じの場所ですね。墓でもあるのかなぁ?」

私は、榎本君の言葉を思い出し、電話を借りました。
「あ、大輔? 榎本君と代って、、、
あ、榎本君? もしかして、例の物体って、車?」
「ええ、ありました?
僕に見えたのは、白い車が止ってる所です。物凄い霊気があるから、近付くと捕まるかも、、、
でも、すぐわかったでしょ。
え? そんなに近くまで行ったのですか?
  わぁ、、、危なかったですね。
そっちにいると、見る力が弱まるか曇るかするんで、気をつけて下さい。
あえて言わなかったのはね。白い車って、どこにでもあるから、全部に気を取られると、見落す可能性があって、かえって危険だと思ったからなんですよ。」

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bronco

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