Categories: 洒落怖

確保

この怖い話は約 2 分で読めます。

平日冬、シーズンオフのキャンプ場を貸し切りにした。
霧雨の海辺、松林の切れ目にテントを張った。
中に座って前室で夕飯を炊いてると、後ろで、かしょかしょかしょかしょ…と音がする。床とグランドシートの間あたり。
鼠かね、と思って物を投げると鳴り止む。それでも、10分するとまたかしょかしょ…その繰り返し。
この警戒心の無さは鼠じゃねえな、とビビり出した。酒飲んで気分が乗ったタイミングで来るのでタチが悪い。
夜も更けて角瓶が空く頃にやっと閃いた。そういえば、近くでアカテガニがいたな、大きさといい間違いない。
アルコールも手伝って、絶対捕まえてやろう、って思ったわけ。鳴った瞬間に床のシート越しに掴もうと。
かしょかしょかしょ、掴んだ、完全に「子供の手」だったわ。薄いシート越しに妙に暖かいの。
スッと引込んでったけどね。

bronco

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bronco

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