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相手は地面に転がったがまだナイフを持ってる。
私は急いでバイクに縛り付けたバッグを開け、中から取り出した。
包丁を2本。
当時調理師専門学校生で、丁度偶然包丁を持ち帰る日で包丁セットの入ったバッグを持っていたのだ。
相手は立ち上がろうとしていたが、脳震盪でも起こしたのか顔にダメージを負ったのかよろよろしていた。
そいつに包丁を持って近づいたら、奴はこっちを見て尻餅をついた。
「うぁぅぁぁぁ……やめて」
何を言ってやがる。
ナイフを武器にする奴はその怖さもよく理解しているのか、自分より多い武器に怯えたのか、包丁が出刃包丁と柳刃包丁で見た目にも鋭利すぎたのが怖かったのか、完全に逃げ腰で両手で体を支えるような感じ。
これ他の人から見たら完全に私が加害者だよな。
511 本当にあった怖い名無し sage New! 2013/10/19(土) 00:16:35.12 ID:rTaLEldt0
そいつを見張りながら携帯で警察に連絡し、警察が来るまで「ちょっとでも動いたら、ヤルヨ」と脅してた。
私も怖かったけど、相手が戦意喪失状態で助かった。
警察が到着すると、奴は縮こまってナイフも手放してた。
警察は真っ先に私に近づき完全に拘束しようとしてる……。凄く…恐いです。
私は包丁を地面に置き、警察に説明。通報したのも自分だと説明して、携帯見せて納得して貰った。
当時は包丁などもバッグに入れていれば問題なく持ち運びできた。
この数年後にナイフによる事件があり、学校や店から持ち帰るなどの理由ですら厳しく取り締まられるようになったようだ。
奴は警察に拘束され、その後奴のナイフを確認し駐輪場の自転車を警察が見て回ると、残っている殆どの自転車やバイクなどのタイヤがそのナイフによって引き裂かれていた。
私もバイクをやられたのを調書に書いておいた。
後に相手から弁償をして貰った。奴の家族がしたのか、届け出た被害者全員にきちんと支払われたようだ。勿論大事なメット代金も貰った。
警察から聞いたが、そいつも自転車できてるらしく、駐輪場に停める場所が無くて場所を空けるためにやったとかなんとか。
まあタイヤ切り裂かれる所になんかだれも停めたくはないし、それ狙いだったのかな。
洒落にならないのは、夜遅かったとはいえ駐輪場周辺には民家もあるのにあの奇声を聞いて出てくる人も居なければ、通りかかる人も居なかった。
こんな場所で女性がナイフ持った男に襲われたら逃げるの無理だろうなと思った。
その点は駅の方へ連絡しておいたら、卒業前だから1年も経たずに照明が増えて明るくなり、駐輪場も整理されて放置自転車も逐一処理されるようになった。卒業までしかその恩恵には預かれなかったけど。
包丁二刀流は洒落にならないほど安心感があった。
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