Categories: 洒落怖

じいちゃんとの秘密

この怖い話は約 3 分で読めます。

くすぐりゲームはそれからも定期的に開催された。それによってGとの仲が悪くなるということもなく、普段は和気あいあいとしゃべっていたし、名探偵コナンの犯人も事件が起こる前に当てていた。
大抵は名探偵コナンが終わった後無言で俺がGの腕を掴んで胸にもっていくことになっていた。

しかし時は流れる。
中学生になった俺はGと疎遠になりはじめた。
勿論一つ屋根に住んでいるから顔を合わせると軽く言葉を交わしはするが、俺は時間があると自分の部屋で過ごすようになっていた。

434 本当にあった怖い名無し 2013/10/16(水) 03:45:57.02 ID:DoYGDGHW0
正直Gとやったくすぐりゲームは忘れたい過去になっていた。

Gとはあまり会話もしなくなっていたが、正月などで親戚が集まると「Kは明るくて良く気が利く私の自慢の孫だ。足も速くて自慢の孫だ。確か賞も取っていたよな?ばあさん」と、俺をみんなの前でよく誉めてくれた。
仲良しだったあの頃のようには戻れないのがちょっぴり寂しかったが
嫌悪に値する過去は、人の憐れを凌駕する。

10年後Gは死んだ。いいじいさんだったのでそれなりに仲間たちから愛されて幸せな生涯だったと思う。

で、やっと本題にはいるんだが最近出るんだよ。いや、出るというのは正確じゃないな。正しくは出て来てる、だ。
最初気付いたのは1ヵ月くらい前だった。壁の模様がさ。Gの顔に見えるのよ。まあ模様が人の顔に見えるってのは凄くありがちだから普通は驚かないんだけどね。

436 本当にあった怖い名無し 2013/10/16(水) 04:22:23.57 ID:DoYGDGHW0
だんだんね。くっきりなってきたの。例えるならポチ袋に書いてある崩れた書体あるでしょ?おと~む的な。最初はあんな感じなんだけど数日後にはハッキリ「お年玉」って書いてるのが分かるみたいな。そんな感じなの。
「おお、これまずいだろ?」つぶやいたりね。
やめろじいさんって怒鳴ったりしたよ。
でもやめないんだぁ。こっちの都合関係なしにやつらはやってくるからね。昨日の夜にはもうバッチリ壁にGが浮き出て来てた。

そして今日の真夜中。というかこれ書き込み出したちょっと前。
「おーい」
いきなりGの声でよばれた

437 本当にあった怖い名無し 2013/10/16(水) 04:45:22.73 ID:DoYGDGHW0
案の定壁のGが俺を呼んでる
「おーい」
もう一度呼ばれる。
「ズズ……ズズズズ……」
「おーい」
「ズズズズ」
「おーい」「おーい」「ズズズズ」
俺を呼ぶ声の他に何かを引きずるような変な音がする。
「おーい」「もうすぐそっち行くぞー」「ズズズズ……」
Gの鼻が壁から突き出し実体化してきている。
「もうすぐそっち行くぞー」
俺はゴキジェットのノズルを鼻の穴に差し込みジェットスプレーをぶちこんだ。
「ギャー」
鼻が壁に押し戻された。
「もうすぐそっち行くぞー……」
「もうすぐそっち行くぞー……」
だんだんと声は遠のいていった。

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