Categories: 洒落怖

新築物件

この怖い話は約 3 分で読めます。

776 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/02/09(月) 19:54:02.21 ID:nr5MrlOH0.net
結局その後体を壊して実家に戻ることになり、その部屋を引き払うことになった。

引っ越しまで2週間となった時に、お隣さんが訪ねてきた。
ちなみに201・202(お隣さん)・203(私)・204の並び。
「俺、来週引っ越すんですよ」
と言われ驚いた。
「え、私はその次の週に引っ越すんですよ」
と言ったら、お隣さんは更に驚いて
「え、201の人は明日引っ越しですよ」
と返してきた。
前述の通りここは新築物件で、つまり201~203号の3件とも2年も経過しないうちに引っ越すことになったわけだ。
びっくりして204号の人っを訪ねてみると、なんと来月引っ越しだという。
1階のひとにまで聞きまわることはしなかったが、全8件のコーポのうち、上半分の4件はたった2年で空き家になる。
なんとなくぞっとして、それ以上の追求をせずそこを引き払った。

777 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/02/09(月) 19:55:06.88 ID:nr5MrlOH0.net
実家に戻ったら、酷い冷えが徐々に収まってきた。
実家は東北なので西日本の暖かい地域のあの部屋より暖かいとはおかしいが、ともかく不調はなくなった。

それからしばらくして、父のいとこのYおばさんが訪ねてきた。彼女は私を見るなりびっくりして
「あんたあっちで一体どこ住んでたの!?」
と言った。
別に曰くがある土地じゃないけど、こういうことがあったよ~と言ったら、Yおばさんは
「それ、井戸だね」
と言った。
物件を建てる前の駐輪場が作られるよりもっともっと前、いつの時代かわからないがそこは井戸だったと。
おそらく、井戸を埋め立てた時にちゃんとした処置(? よくわからないが通気口のようにパイプか何かを通すことと、地鎮祭みたいなものをするとかなんとか)をしなかった井戸だろうという。
彼女いわく、井戸とは記憶を持つものらしい。その井戸の埋め立てられた時の記憶を追想していたね、と言われた。
「井戸の底に住んでいたようなものだ。だから体は冷えたし、埋め立てるために周囲を囲んだ人の足音や視線も感じるし、投げ入れられた土の音もきいたのだろう」
そう言われて、すべて納得した。
怖いというより、あれが井戸の記憶だとしたらなんとなく悲しいと思ったのを覚えている。

今その部屋がどうなっているのかはわからない。

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