Categories: 洒落怖

足跡

この怖い話は約 3 分で読めます。

オチなしの不思議?実体験

北海道は札幌に有名な心霊スポットの滝がある
夏場なんかは夜中なのに必ずと言って良いほど、駐車場には車が数台止めてあって
若い声がきゃーきゃー言ってるくらい、有名な場所

二十歳前後で暇を持て余していた
何も無いことはわかっていながらも、男四人。ポンコツ車で和気藹々とその滝に向った

秋から冬に入って、雪が降ったり振らなかったりする時期

根雪には遠く、道路には雪はなかった

しかし、滝に近づくにつれて、雪は次第に厚みを増して、滝に着く頃には
靴後が残るくらいには積もっていた
250 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/09/04(金) 22:34:13.41 ID:wTscFcJ70.net[2/5]
時刻は夜中十二時を過ぎていた
夏場ならいざ知れず、駐車場には車もなく、降り積もった雪は綺麗に平面を描いていた

「ほんと、俺ら暇だよな」みたいな中身の無い無駄な会話
「こっち雪降ってたんだ」
「なんやかんや標高が高いからかな?」
「昼間は晴れてたけどね」
「吹雪いてたのかな?」

憶測ばかりの会話をしつつ、駐車場を降りれすぐの心霊スポットの滝まで下がる
積もった雪、風にざわめく枯れ木、雰囲気だけはばっちり
しかしもちろん何もおきない

わざわざ来たのになー、と思いつつ周りを散策すると、駐車場から少し上がったところにある
遊歩道に、足跡があった
251 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/09/04(金) 22:41:43.73 ID:wTscFcJ70.net[3/5]
「おかしくね?」

というのが、全員の一致した見解だった

足跡は一つ
大きさから言って女性
しかもヒールの様に一つの小さい点と面

そしてなによりも、足跡は一つ
つまり、「行き」の足跡しか残されていない

「これいつついた足跡さ?」

というのも、問題だった
先ほどまで疎らにも降っていた雪は、今は止んでいる
しかし仮に、昼間についた足跡だとしても、そこには柔らかい雪が被さっていないとおかしいんだが
足跡は、いま歩いたかのように、真新しく、生々しく残っている
252 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/09/04(金) 22:53:18.43 ID:wTscFcJ70.net[4/5]
駐車場から遊歩道へと続く過程で、正確なその足跡の出発点は車によって消されている
誰も向うことのない、冬の山奥へと続く遊歩道
奥へ奥へと、足跡は一人分残っている

「辿ってみよう」

そうなるのは暇な男四人にとっては至極当然の結論だった

むしろ熊が怖い、といって笑い自分達を勇気付けながら
雪で埋もれた川べりの遊歩道を一つの足跡を追って歩く

五分、十分、十五分(時間は正確ではないが、体感でそこくらいは歩いた気がする)

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