Categories: 洒落怖

マガガミさん

この怖い話は約 3 分で読めます。

970 本当にあった怖い名無し New! 2012/08/21(火) 12:20:56.35 ID:tXPFr1YY0
最初はみんなはしゃいでたし、花子は用意してたらしい空のペットボトルに池の水を汲んだりしてた。
けど、やっぱり隣の汚い小屋が気になってきた。
小屋は小屋というより長屋みたいな、ちょっと小屋にしちゃ横長な建物で、見るからに汚いし怪しい。
山姥でも住んでんじゃねえの?って感じ。
そしたら二郎が、お得意の「山姥がいたら巴投げで~」を始めて、小屋に入っていった。
俺らも後に続こうとしたが、ここまで空気だった太郎が、「やや、俺は行かへん。ここにおる」と言い出した。
花子は太郎のヘタレ具合にキレていたが、太郎は頑として譲らなかった。
「行きたかったら花ちゃんと二郎ちゃんとで行ったらええやん。梅ちゃん(俺)は僕と一緒におろ。な?」
と、なぜか俺だけは引き留めた。
俺は正直、怖いながらも小屋に興味があったんだが、のび太を地でいくようなひ弱な太郎を置いてくのも、
なんかあったら嫌だったので残ることにした。
小屋に入ってった二人を見送りながら池の縁に座り、太郎と話をした。
「なんであそこ入るん嫌なん、怖いんか?」
「あっこは嫌や。怖い」
「ほな、なんで花子と二郎ちゃんは行って良かったんよ。」
すると太郎は、
「花ちゃんは僕にいけずばっかりしよるし嫌い。二郎ちゃんは乱暴やのに口だけやから嫌い。やからええねん。死んでもかめへん」

974 本当にあった怖い名無し New! 2012/08/21(火) 12:35:47.58 ID:GBht/3ey0
「やって花ちゃんはいつも偉そうにうるさいし、僕をミソカス扱いしよるし、
二郎ちゃんはすぐシバく。ふたりとも嫌いや。死んでもええねん、死んでくれたらええねんよ。やから来たんや、マガガミさんに殺してもらいたかったんや」
悪口のなかに聞き慣れない言葉が出てきて、聞き返した。
「マガガミさんて、なんやねん」
「村の子らはみんな知らんよ。花子も二郎も知らん。アホやから知らんねん。
僕は知ってたんや、ここには、マガガミさんがおるねん。
キチヅの婆ちゃんがマガガミさんのことを僕には教えてくれたんやで、それは僕が賢いからやで。」
「せやから、マガガミさんてなんや!」
「梅ちゃんは僕に優しいから助けたる。けど、花子と二郎はあかん。アホでイキリで愚図やからな、死んでもええねん。
マガガミさんに殺してもらうねん」

だんだんと、ただの悪口から呪詛になってきた。いつの間にかふたりとも呼び捨てになってるし。
太郎は口から唾を飛ばしながらずっとしゃべりまくっていたが、そのうち
「ヒョアヒョアヒョアヒョアヒョアヒョアヒョアヒョアヒョア
ヒョアヒョアヒョアヒョアヒョアヒョアヒョア」
と、変な笑い声を上げだした。

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