この怖い話は約 3 分で読めます。
727 名前:1/8 投稿日:2001/05/02(水) 23:20
結構長文かも。
俺が高校の頃の話。
秋頃、友人のMが悩みでもあるのか元気がなくなった。
友人連中で相談でも聞いてやろうと思って聞き出したら
「絶対笑うなよ」と前置きして話し出した。
悩みとはつまるところ「家に幽霊が出る」ってことだった。
もちろん笑ってしまった。
おまけにMの家に泊まって幽霊を見に行くという展開に。
Mは笑われたことで気が進まないようだったが、
他の人間が幽霊を確認するってのには賛成だった。
(どうも自分の頭がおかしくなったんじゃないかとか思ってたらしい)
728 名前:2/8 投稿日:2001/05/02(水) 23:21
Mの体験ってのはこうだった。
俺達が話を聞いた4日前。家族が寝静まった深夜。
そろそろ寝ようかと思ってMは寝る前にトイレに行った。
用を足し終えてトイレから出てくると電気のついていた廊下が真っ暗。
トイレの中の電気だけが廊下を照らしている。
廊下の明かりのスイッチをパチパチと切り換えるが反応無し。
「電球が切れたのか」とMは思った。
仕方がないので暗い中を手探りで部屋まで帰ることにした。
せめてもの灯りにトイレの電気を付けっぱなしにしておく。
それでも廊下の先は暗かった。
目は慣れてないが勝手の分かった自分の家なので問題なく階段まで辿り着いた。
後は階段を上ると自分の部屋はすぐそこ。
しかし階段は真っ暗だった。
729 名前:3/8 投稿日:2001/05/02(水) 23:30
「2階の廊下の電気もつけとけば良かった…」Mは後悔した。
諦めてゆっくり階段を上るM。
ギッギッギッ……。階段を上る足音がやけに大きく聞こえる。
ギッギッギッ……。さらに上る。自分の部屋の灯りが見えてきた。
「パッ」
階段を半分上ったところで突然背後の1階の廊下の電気がついた。
驚いて振り返るM。
階段の一番下に背広姿の男がいた。
父親かと思ったがもっと若い男だった。
くしゃくしゃの短い髪にグレーの背広。俯いていて顔はよく分からない。
Mは驚きで動けなかった。
そして男はゆっくりと足を上げると階段を一歩のぼった……。
730 名前:4/8 投稿日:2001/05/02(水) 23:32
気がついたらMは自分の部屋で目を覚ましたらしい。
俺達は夢じゃないのか?と突っ込んだんだけど、
トイレの電気は付けっぱなしだったらしい。
(母親に電気の付けっぱなしを注意されたとのこと)
Mはそれ以後、夢にまでその男を見るという。
あの男が階段の下で自分の部屋をじっと見ているんじゃないか。
あの男が一段ずつ階段をのぼって自分の部屋まで来るんじゃないか。
そういう想像まで膨らませていた。
「夜中にトイレなんかとてもじゃないが行かれへん。
学校の階段でも下に人がおったらビクッとしてまうくらいやし。」
Mはかなりビビっていた。