Categories: 洒落怖

親戚の怖い話

この怖い話は約 3 分で読めます。

……この話は、私がまだ小学生の頃のことでした。
……そして、私にとっては、これが話の始まりでした。
ことの真相を知るのは、これから10年近く経ってからのことでした。

(続く)

405 親戚の怖い話3 ◆WatDT1.QjM sage New! 2006/11/14(火) 16:11:57 ID:mOpTXwRv0
あの本家の鎧を見てから10年弱がたった頃。
私は自分の人生でいろいろあって、親元からずいぶん離れて一人で暮らしていました。
そしてその間、親戚とすっかり疎遠になっていました。
私が知らない間に、本家の従兄弟のお兄さんが結婚していたような始末です。
久しぶりに家に帰ったある日、従兄弟に子供ができたことを親から知らされました。
『なんだ、俺もおじさんかぁ~~。』なんて言ったものの、親の顔色が良くない。
どうしたのかと思い、問い詰めてみたところ、

『実は、五体満足じゃないらしいんだよ…。』

私は別に偏見などないので親に切り返したところ、突然親の歯切れが悪くなりました。
『こっちにまでとばっちりが来たらたまらないんだ…』とか、
『おまえだけでも本家とのつながりを絶っておいてよかった……』とか。
あんなに親戚づきあいをしているのに、そんなことを考えていたのか……。
なんて思いながら、私は例の鎧のことを思い出しました。
そう、親にはこのときまで話していなかったんです。
そこで、私は本家で見た鎧の話をはじめて親にしました。
すると、親の顔色が見る間に一変しました。

『おまえは大丈夫かい!? ヘンなことはなかい!?』

……んなこと言われても、鎧を見たのはガキの頃だしね(汗)。
母親が、大きな大きなため息を、ひとつつきました。
そして、あきらめたように、本家の話をしてくれました。
それは、私がこれまで知らなかった……親が隠していた、本家の陰の部分でした。

(続く)

406 親戚の怖い話4 ◆WatDT1.QjM sage New! 2006/11/14(火) 16:12:54 ID:mOpTXwRv0
本家は、倉から博物館行きのシロモノが出てくるような、由緒ある旧家。
農業と生業とし、あたり一帯の膨大な土地を持っていました。
そして、そこに大勢の小作人を住まわせ、働かせていたそうです。
本家の人間は、小作人たちに言うことを聞かせるため、暴力を使ったそうです。
その最たる暴力が、【拷問】でした。
小作人たちを拷問にかけるため、本家には専用の部屋がありました。
拷問部屋です。
あの大きな屋敷の中で拷問を受けながら、命を失った人も大勢いたそうです。
この拷問は、ずいぶん昔から行われていたとのことです。
しかし、先の戦争の終戦と同時に拷問の慣習はなくなり、拷問部屋も使われなくなりました。
それ以来、その拷問部屋は固く施錠し、【開かずの間】としたそうです。

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