Categories: 洒落怖

兄貴と女と男

この怖い話は約 2 分で読めます。

母親を支えながら廊下のベンチに座ってる間、なんか変な足音に気づいた。
まだ明るいうちだったから、病院の待合なんて人いっぱいるから、足音なんて普通なんだけど、何故だかその足音だけ変なんだよ。
そのうち聞きなれた音だからって気づいた。実家の階段を上る音だって。

目の前に、家でみたお姉さんがいた。
「まだかなまだかなまだかな」
と繰り返し呟くお姉さんをみて、こいつが原因だととっさに思った。
自分はそいつを睨み付けて「どっかいけ!」と心で呟いた。
そしたら声がやんで女の目だけがぐるん、て動いてこっちをみた。
顔がぜんぜんうごいてないのに、眼球だけ、ぐるん、て。
さすがにここで、とんでもない相手をしていると気づいて背筋が凍った。

473 本当にあった怖い名無し sage 2006/12/12(火) 23:41:29 ID:dYOO0/mT0
どうしたらいいのかわからず、しばらく女とにらみ合ってた。
そしたらまた、とんとんとん、て別の足音がしてそっちに視線を向けたら、次に女に視線を戻したときには女の姿はなかった。
どうしたんだろうと思ったら、今度は目の前に兄貴と同じ年くらいの男の人が立ってた。
「あいつに、苦労かけるな馬鹿野郎っていっといて」
というと、コブシでとんとんと二回、自分の頭をこついて消えた。
亡くなった、兄貴の同級生の顔だった。

兄貴は無事目を覚ました。
あとで聞いたら、兄貴は自分に電話をしていなかった。
着信履歴みたら、確か兄貴から電話があった記録がなくなっていた。

自分が体験した不思議なことを話たら、兄貴は泣いた。

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