Categories: 洒落怖

言葉の意味

この怖い話は約 2 分で読めます。

「アシ、モラオカ」

僕はひどく焦った。きっとこいつが僕に怪我をさせたに違いない。
このままでは僕の足はとられてしまう!
(やめろ、僕の足をとらないでくれ!たのむ、やめてくれ!)
心の中で繰り返していると、動物は「ぐぐ、ぐぐっ」としわがれた声で
笑っているような音をだして、すっと消えた。

959 4 sage 2008/05/23(金) 22:40:04 ID:hYzAhLP+0
翌朝、僕が目覚めると怪我をした足が動かない。
もう高校生になったというのに僕は半泣きで両親を
大声で呼び、何事かと慌ててやってきた両親に
僕が体験したことのすべてを話した。
すると母親が、昔霊障にあったときにお祓いをしてもらった
信用のできるお寺さんに行こうと言ってくれた。
僕はその日のうちに母親の運転する車に乗せられ、
お寺に連れて行かれた。住職さんに動かない足を見せ、
「どうか助けてください」
と必死に頼むと、住職さんは言った。
「動物と人の霊の混ざったものに憑かれていますね。
今日来てくれて本当によかった。もう少し遅ければ
その足は一生動かなくなっていたでしょう。」

住職さんはお経を唱えて僕の頭や足を軽くたたき、御祓いをしてくださった。
ほどなくして、僕の足は動くようになり、それからあの動物が
僕の前に現れることもなくなった。

いったい何が原因でアレに憑かれてしまったのか、なぜ足をほしがったのか
疑問はあったが、僕にはアレから解放されたという事実だけで十分だった。

最近、だんだん暑くなり夏が近づいている。
もう出ないとわかっていても、僕は夏が怖い。

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