Categories: 洒落怖

足音

この怖い話は約 3 分で読めます。

『このままでは、いずれ1階に降りてきてしまう…どうしよう…』私は急いで思いつく限り
の対策を講じることにしました。

ですが、所詮小学生の考える事です。私が行った対策とは、
1.自分が居る茶の間から階段までのドア(2ヶ所)を全て閉じておく。
2.1階の電気は全て点灯し、茶の間のテレビを常に点けておく。
3.いつでも脱出可能なように、玄関の鍵を開けておく。
といった稚拙なものでした。ですが、これが当時の私が出来る精一杯だったのです。

675 №3 sage New! 2007/12/07(金) 02:03:37 ID:8kQTZLIm0
そして、とうとう私が奴の姿を見ることになる日が来ました。

その日も相変わらず、私はテレビの音を少々高めにして、茶の間へ通じるドアは全て閉
じて1階の明かりを全て点けていました。時間は多分、夜の8時ぐらいだったと思います。

…いつもの様に、2階を歩き回る音が始まりました。しかし私は『大丈夫、茶の間へ通じ
る2ヶ所のドアは閉じているし、1階の明かりは全て点けている。幽霊が扉を開けれられ
るもんか!』と、自分を勇気付けていました。ところが…。

足音は「トントントン…」と足取りも軽く、階段を降り切ってしまったのです。そして、
明らかに茶の間へ一直線に歩いて来ている!
『そんなバカな、1階の明かりは全て点けているのに…』と驚いている私の耳に、更に信
じられない音が聞こえました。

「カチャ…キィ…」

私は慌てました。足音はドアを開けてしまったのです。
この時点で私はすぐに逃げるべきだったのでしょう。が、私は金縛りに掛かったかの様
に最後のドアを凝視していました。

「ギシ…ギシ…」足音が廊下を歩いてきます。そして、徐々にドアの曇りガラスに黒い影
が映り込んできました。その影は、ゆっくりとドアノブに手を伸ばし…。
それを見た瞬間、私は弾かれるように裸足で外へ飛び出していました。

結局、私は親と姉が帰ってくるまで、ずっと外で泣きべそを掻いていました。当然親にも
話しましたが、そんなバカな…と一蹴。ですが、何か思い当たる節は有るようでした。そ
して私自身、後になって我が家で起きる現象の原因(と、思われるもの)を知る事になる
のです。

私の話は以上です。他にも話はありますが、「洒落にならない程」では無いと思われま
すので、割愛します。

679 №1-3 sage New! 2007/12/07(金) 10:46:38 ID:8kQTZLIm0
すいません。原因を書いてませんでしたね。昨日は眠くて、そのまま寝てしまいました。

原因(と、思われるもの)は単純というか何と言うか…実家に隣接している病院敷地にあ
りました。そこは病院そのものが建っている訳ではなくて関連施設が建ってるだけです
ので、全然意識してませんでした。

ただ、地元の人、特に古くから住んでいる方々に言わせると「夜中に人魂を見た」とか「影
だけが歩き回っていた」という噂があったようです。知らなかったのは私だけ、みたいな。

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