Categories: 洒落怖

小屋の少年

この怖い話は約 3 分で読めます。

857 1/3 sage 2009/09/18(金) 13:38:53 ID:uFfrqUIk0
今年の夏休み、大学仲間の男3人で四国へ旅行に行った時の話なんだけど、
ナビもついてないオンボロ車で、山中で迷ってしまって、
どうにか国道に出る道を探し回っていた。
あたりも薄暗くなってきていたので内心焦ってたんだけど、
どんどん道が細くなってって、車一台通るのがやっとの道幅。
俺は運転もせず後部座席だったからまだ余裕があったけど、
運転してた友人は相当焦ってたと思う・・・

どんどん道を登っていくと、腐敗した小屋があり、覗きこむと小学生くらいの男の子が
自分たちに背を向けたかっこうで立ちすくんでた。ボーっと。
地元の子だったら道分かるかなぁ?と思って、「すいませーん!」と呼びかける。
反応が一切なく、「おーい僕~!」と俺も呼びかける。無反応。
運転席の友人がクラクションを鳴らすと、顔だけこちらを向けた。

普通の男の子なんだけど、これ以上ないぐらいに無表情。
「あのさ、国道まで出たいんだけど、どっち行けば良いか分かるかな?」
表情ひとつ変えずに指をさしてくれた。俺らの進行方向で正解だったようだ。
暗くなってきていたし、男の子は小屋の中にいるので顔がよく見えなかったんだけど、
妙に無表情な印象が強くて、不思議な子だったねと車内で話しながら俺らは細道をひた走った。

858 2/3 sage 2009/09/18(金) 13:40:03 ID:uFfrqUIk0
それから3分と走らずに行き止まりに突き当たった。
「んだよ行き止まりじゃん最悪!嘘つかれたわさっきの子にぃ~」
友人が愚痴りながらバックで来た道を戻った。
さっきの小屋があった場所にちょうどスペースがあったのでそこで車をUターンさせ、
来た道を戻ろうとした。
「あれ?さっきの子いないじゃん。」
「ほんとだ。もう帰ったんじゃない、暗くなってきたし。」
特に気にもかけなかった。俺らに嘘ついた手前、急いで帰ったというのもうなづける話だ。
「やばいなぁ。もう暗いから来た道戻ってみようか。」
ほぼ一本道だったので戻るしか無かった・・・。
俺は何気なく後部座席を振り返って、もう一度小屋の方を見た。
「ちょ、ちょっとおい!!」俺が絶叫に近い声をあげると、友人がびっくりして急ブレーキを踏んだ。
「なにさ!!」
「あれ!!!」
小屋の横でさっきの男の子が立っているのだ。こちらを向いて。
「なんだよあの子・・・なんか気味悪いな」
何処かに隠れていたのだろうか・・・。そんな平坦な山道でも無かったのだが・・・。
なにより無表情で、ゾクっとするのだ。

逃げるように俺たちは来た道を戻り、
30分ほどで民家を発見した。地図を示しながら道を尋ねて、礼を言って再出発。
「今度こそ大丈夫だ」友人が安心した声を漏らした。

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