Categories: 洒落怖

ツーリング

この怖い話は約 2 分で読めます。

528 ツーリング(3/3) sage 2009/08/22(土) 23:49:56 ID:jUDdJfUU0
「ゆ、勇次…。お前痛くないのか?」と誰かが震える声で聞くと、
「どうして? 痛くないよ…。痛くないよ…。痛くない…。目が見えない…。うぅ~。」
そう言いながらズルズルと近寄って来る様はホラー映画に出て来るゾンビそのものだったらしい。
目の部分は完全に眼球がすり潰されてしまっていて目があったと思われる部分からは
色々な物が垂れ下がっているような状態だった。
顔面の左側の剥がれた皮膚などが顎のあたりまでベロっと垂れ下がり、
骨が露出した上に顎の部分もかなり削り取られてしまっていたので、
このような状態ではもう助からないだろうと誰もが思ったそうだ。
勇次はそのまま膝から崩れ落ち、バタリと気を失ってしまった。
そんな勇次を仲間の誰もがどうすることも出来ず、みんなが思考を停止させてしまった。
そこで唯一無傷だった従兄が気を取り直し、林道を抜け最初に出てきた民家に助けを求めて救急車を呼び病院へ…。
その後勇次は奇跡的に一命を取り留めたものの、何度も何度も形成手術を受けることになった。
最終的にはどうにか他人が見ても怖くない程度まで修復されたのだが、
左目は当然義眼を入れることになってしまったそうだ。
ところがこの勇次という人は全然「メゲナイ」タイプの剛の者だったらしい。
従兄によると、その後の飲み会の席などでは、女の子の見ている前で義眼をポロっと取って見せ、
脅かして楽しんでいたんだとか…。

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bronco
Tags: 幽霊

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