Categories: 洒落怖

拾ったメモリーカード

この怖い話は約 2 分で読めます。

その後すぐに私は部屋へと引き返しました。
リビングから寝室までの廊下があれほど長く感じたことはありません。
いつ後ろから彼が追いかけてくるかわかりません。
追いかけてくるのは彼なのか、少年なのか、恐怖で私は混乱していました。
音を立てないように、しかし1秒でも早く、
やっと部屋に入った私がドアを閉じる時に廊下を見ると、
彼もカメラを持って自身の床へと向かうようでした。
私は部屋に鍵をかけて蒲団にもぐり、強く目を閉じました。

596 7/7 sage 2009/07/11(土) 13:18:31 ID:pfN8wUo/0
翌朝、
拍子抜けするほど、彼は普段の彼でした。
その日は、自分でも意外なくらい和やかに過ごすことができました。
彼は昨日の姿を私に見られたことを知らないようです。
私も彼もメモリーカードのことには触れませんでした。
ですから、結局預けに行くこともしませんでした。

カードは彼が持ち帰ったのでしょうか。
それとも我が家のどこかにまだあるのでしょうか。
私にはわかりません。

Page: 1 2 3

bronco

Share
Published by
bronco
Tags: 散歩

Recent Posts

祖父の遺品

3年前くらいなんだけど、半ボケ…

4年 ago

三つの選択・ひとつ作り話をするよ

いつものように僕の部屋に集まる…

4年 ago

白い傘と白い服

友人と遊んだ後、雨降ってるし時…

4年 ago

着信

俺が住んでる地元であった本当の…

5年 ago