Categories: 洒落怖

百鬼夜行

この怖い話は約 3 分で読めます。

845 本当にあった怖い名無し sage 2009/06/29(月) 17:26:38 ID:fYJea/cG0
これも余所に登校した奴だけれど…

僕は漫画のアシスタントをしている。
現場の雰囲気にもよるが、ときおり雑談しながら作業をする。
そんなときに聞いた話。
僕は今でもその話は嘘だと思っている。
話してくれた方を仮にAさんということにしておく。

詳しい場所は教えてくれなかったが横浜方面の現場での体験談だそうだ
その現場は深夜に作業をするタイプの現場だそうで、出勤は昼ごろになる。
駅から少し離れたところに坂があり、その上にある住宅地の一角、マンションの一室だそうだ。
Aさんは話の端々で坂の長さと勾配が急であったことを強調していた。
何度もその現場に通っているうちに、いつも坂の袂、道の真ん中にに女の人が立っていることに気づいたそうだ。
ワンピースを着ていた。
美人だった。
Aさんが言った女の人の特徴だ。
原稿の都合によっては早く呼び出されることがあったそうだが、いつ行ってもその女の人はいたという。
お盆の終わりの頃の話。
いつものように現場に向かうとき、一台の車がその坂を下りてきたという。
いつも女の人が立っているのは道の真ん中だ。
気になって様子を見ていると、その車は女の人が見えないように突っ込んでいった。
「あっ!」と叫んだとき、轢かれたと思った女の人は消えていた。
通行人たちは叫び声の理由が気になるのかAさんの方を見てくる。
ぶつかるような音は聞こえてこなかったし、気のせいだったのかと思った。

846 本当にあった怖い名無し sage 2009/06/29(月) 17:28:11 ID:fYJea/cG0

その2日後、原稿があがった。
時刻を見るともうすぐ夜中の3時にかかろうかというところ。
帰宅は翌日の始発にすることにして、Aさんはたばこを買いに行くことにした。
坂の上は住宅地なのでコンビニは一軒もないらしい。
駅前まで歩く必要があるそうだ。
マンションから降りていくと、坂の袂に例の女の人が立っている。
一昨日のこともある。
こんな夜中にまでいるということは、ヤバい存在なんじゃないかなと思ったそうだ。
たばこを買ってきてまた坂にさしかかると、やはりいる。
Aさんはなるべく目を合わせないようにした。
坂を上っていくと男の人とすれ違った。
坂の下に立つ女の人はともかく、こんな時間にすれ違うのは珍しいなと思ったという。
横浜という場所を考えればそうでもないのかもしれない。
坂を上るとまた別の人とすれ違った。
結構勾配のきつい坂だったそうで、よろけないように足元を見て上っていたという。
そのために気づいていなかったが、坂の上のほうを見てみるとぞろぞろと人が降りてくる。
いくらなんでもこれは変だと気づいた。
Aさん曰く百鬼夜行だという。
たしかに夜中の3時にできる行列には異様なものがあるだろうと思う。

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