Categories: 洒落怖

ハイド君

この怖い話は約 3 分で読めます。

658 3/4 sage 2009/06/17(水) 17:07:37 ID:Ewi2MyXg0
ワケがわからなくなって、何だかものすごく恐くなってきたので
A子に恐る恐る「あのさ、これ俺に見えるんだけど」って聞いた。
A子はポカーンとして、「なに言ってんの。あんたじゃないでしょ、どう見ても」と言って携帯をひったくり
それに目を通した瞬間に、金切り声を上げて、携帯ぶん投げた。
あまりの勢いに俺も、どうしたよ!?おい!?ってビビってると
A子が「かおかお、顔が…」と叫んでた。
下に落ちた携帯をつまんで見てみると、男の顔がさっきと変わってた。
もう俺の顔じゃないんだけど、なんか虫唾の走ったような機嫌の悪いへんな顔になっていた。
マジですっっげえビビった。
A子が「その画像消して!はやく消して!」と喚くので、怖かったけど俺はその画像を削除した。
二人して冷や汗かきながら、「なんなのアレ」とか「いたずら画像なのか?」とかギャアギャア騒いだけど
結局「わけがわかんない」ので、気持ち悪いしこりを残したままその日は別れた。

その後、A子のところにハイド君から電話が1回だけあった。夜中に。
怖くてとらないでいたらしいのだが、何分も何分も延々と着信が続き、
恐ろしくてついに電源を落としたそうだ。
次の日の朝に電源を入れるとメールが届いていて、そこには「マタ遭おう2:30」と書いてあった。
そしてハイド君からの連絡は一切なくなった。

659 4/4 sage 2009/06/17(水) 17:09:04 ID:Ewi2MyXg0
でも、話はまだ終わらない。
この騒動から1年かそこらが経ったある日に、A子がウチに転がり込んできて騒いだのだ。
なんと、バッグの中にあのメモがまた入っていたそうだ。俺も寒気を覚えた。
文面はほぼ同じで、「○○であなたを見かけて、気になったのでメモを入れた…」というものだった。
しかし今度は場所がレンタルビデオ屋ではなく、地下鉄の駅の名前。
紙は破いた手帳ノートみたいだった。
差出人は××大学の学生、自称ハイド似の20歳の男。やっぱりあいつだと思う。
もちろんA子はこれに応えなかったし、幸いそのまま何もなく無事に終わってくれた。

今でも不思議なこのメモ騒動なんだけど、
いったいなんで俺の顔だったのか、
なんでA子は俺の顔を見て「ハイド君」だと信じ込んでたのか
本当にわからない。ぜんぜん見当も付かない。
もしかして全部A子の狂言かなって思ったこともあるけど、さすがに違うと思う。
バカだけど、根本的にああいうことをするタイプの人間じゃないし…

最後に、このハイド君は「クロダ」と名乗っていた。
もしバッグの底に、自分の知らない畳んだメモがあって、
それが「クロダ」からのものだったら気をつけてください。
好奇心で連絡しちゃうと、おかしな目にあうかもしれません。

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