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洋館から離れたこともあって、落ち着きを取り戻した俺らはさっきの音の正体について考えた。
友人が言うには、「絶対に人間じゃない。もし人間だったらイカれてる。」
俺も同じ意見だった。時計を見るとまだ午前11時。こんな昼間から、あんな廃墟であのような轟音を出すような
状況などあり得るのだろうか?まさか今更、取り壊しの工事などある筈もない。
腑に落ちないまま帰路につく訳にもいかなかったので、もう一度だけあの洋館を調べることにした。
廃墟の状態が思った以上にひどかったのでまずは装備を整えた。ヘルメットやプロテクターに加え、
ビデオカメラ、護身用のナイフも用意した。その日の夕方、再び洋館に向かい侵入を試みた。
558 本当にあった怖い名無し New! 2009/05/17(日) 15:05:21 ID:tbSXWsnZ0
裏手のドアを開けるや否や、友人と俺は片っ端から爆竹に火をつけて投げ入れた。
「バンバン、ババババババ!!!」
爆竹の破裂音に応えるように、さっき聞いた不気味な音が頭上で鳴った。
「ぎぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ、がぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃががががががガガガガガガガ!!!!!」
やはり2階だった。どの辺にいるかは見当もつかないが、これまでに聞いた中で最悪の音だった。
何より不気味なのは、凄まじい轟音であるにも関わらず、建物そのものには別段変化が見られないこと。
ふつう建物が振動したり、老朽化したコンクリが崩れてもおかしくないのに、音のボリュームとは
あまりに不釣合いな建物の様子が逆に怖かった。
その時、2階に爆竹を投げ入れようとした友人がぎょっとした表情になったのを確かに見た。
今度こそ本当の危機を感じたのか、友人は爆竹を投げずにそのままアイドリング中の車のほうに
駆け出して、俺も後を追うように乗った。
洋館の2階からは、耳を塞ぎたくなるような気持ち悪い音がぎぎゃぎゃぎゃと鳴っていた。
2階の窓を双眼鏡で覗くと、赤ペンキを顔中にぶちまけたような真っ赤な顔面の女がいた。
そいつはただひたすらに無感情なカオで立っていた。
それからは廃墟巡り、もとい心霊スポット巡りとは一切縁を切った。
友人はしばらく撮影したビデオの映像と格闘していたけど、結局何も映っていなかった。
一つ心残りなのが、階段の側にあったオルゴールのようなものを回収できなかったこと。
これを読んだ人の中にも、もしかするとスポット巡りなるものに心得のある人がいるかもしれないので
興味があったら調べてほしい。身の危険を感じたら、何もかも忘れて逃げれ。
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