Categories: 洒落怖

川岸の戦友

この怖い話は約 2 分で読めます。

向かいの川岸ではAが自分の名前を呼び続けているので、
声を頼りに近づいていくと急に激痛がはしり、
しまったワニか??と思ったらしい。

激痛で意識が飛びそうだと思ったとき、今度はベッドの上で気がついた。

さっきまでいた所ともまた違うどこかの友軍の陣地。

爺ちゃんは激痛をこらえながら衛生兵に聞いてみると、自分の目指していた陣地よりも更に先の場所だった。

衛生兵に「君の隊は大変だったな、背負ってくれた仲間に感謝しろよ。」
って言われて、爺ちゃんは色々聞こうとしたが、
今は寝ていた方が良いと取り合ってはくれなかった。

705 本当にあった怖い名無し sage 2009/03/12(木) 18:28:07 ID:ALK/TcaW0
次の日、爺ちゃんは痛みと疲れでぼんやりとしているところにAが訪ねてきた。

Aは開口一番「お前は隠れて何か喰ってたのか?重かったぞ。」
って笑いながら嫌味を言ってきたそうだ。

爺ちゃんはAが運んでくれたんだと思いながら、
これでも痩せたんだと言い訳をした。

言い訳をしながらも心に引っかかる言葉が言い出せずにいると、
Aの方から「ウチの隊は今の所7名だ」と言った。

爺ちゃんはあの川岸で会った何名かの名前を口にしたが、
Aは上げた名前の人は誰も来ていないと言った。

そして今この陣地に居るのは、Aに聞いたところあの川岸に居なかった人たちだったそうだ。

爺ちゃんはこの話をしたときに最後にこんな事を言っていた。

「戦場に行けば死に花咲かさなきゃいかんとか話にはなるけど、やっぱ戦友には生き残って欲しいものだよ。みんな同じ気持ちだよ。」

爺ちゃんは8年前に亡くなってしまったが、あっちでは川岸の戦友さんと仲良くやってんのかな?

終わり。怖くなくてスマン。

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