Categories: 洒落怖

廃工場

この怖い話は約 3 分で読めます。

555: 本当にあった怖い名無し:2011/06/21(火) 21:28:44.78 ID:SHvWLwFC0
ところが、元工場?の周りを歩いていたら、前方に人影が見えたのです。
最初のうちは、お化け!?とかなりドキドキしましたが、近づいてみると、
なんというか・・・ちょっと買い物に出かけましたみたいな普通の格好のおばさんで、
こっちを見て何かリアクションをするでもなく、お互い会釈して普通にすれ違いました。

その後も、ハーフパンツのおっさんとか、中年夫婦とか、子連れのママとか
スウェットキティサンのヤンキーっぽいおねえさんとかと次々とすれ違い、
みんなあまりにも普通なので、逆に長袖軍手のこちらが場違いに思えてきて、

Aに「ここって廃墟じゃないの?」と聞くと、Aも
「ずっと使ってないっていうのも俺の親戚の話だし、生きてる建物が普通にあるのかも・・・
とりあえずこの人たちがどこから来てるかだけ確かめよう」といい、
その後も色々な人とすれ違いつつ、その人たちが出てくる扉の前につきました。
他の工場っぽい扉と違い、そこは事務所みたいな感じでした。

557: 本当にあった怖い名無し:2011/06/21(火) 21:31:07.44 ID:SHvWLwFC0
そのドアを開けて中を見てみると・・・中にはなにもありませんでした。
ほこりっぽくて、何かのケーブルと事務机がひとつあるだけ。
窓はありますが、どこかにつながっている出入り口もなく、一部屋だけの建物。

私たちはみんな「???」となりましたが、確かに人が出てきたので、
何かあるだろうとAが中に入ってふらふら探していました。

そこでB子が「ねえ、帰ろうよやだー」と言い出しました。
すごい怯えている様子なので、どうしたのか聞くと、

「だって、この部屋足跡とかないよ?あの人たちどうしたの」
よく見ると、その部屋の床にはほこりが積もっていて、そこにはBの歩いた跡しかないのです。

それに気づいた私たちは、なんだか無言になって、そそくさと外に出てドアを閉じました。
そのまま来た道を戻ろうとすると、背にしたドアがガチャっとあいて、中から人が出てきました。
どこにもつながってない、だれもいないはずの部屋なのに・・・

558: 本当にあった怖い名無し:2011/06/21(火) 21:32:55.28 ID:SHvWLwFC0
B子が悲鳴を上げて走り出し、私たちも夢中で車まで駆け戻りました。
不思議と追い抜いていく人は増えています。肩がぶつかって迷惑そうに睨まれたりします。
さっきまで全然人がいなかったのに、工場の中には何十人と人がいます。

559: 本当にあった怖い名無し:2011/06/21(火) 21:34:06.40 ID:SHvWLwFC0
門を越えたらもう大丈夫だと思ったのに、車に乗って発進したら、道にも人があふれています。
みんな散歩でもしているみたいに、普通の格好でふらふら歩いています。

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