Categories: 洒落怖

妹思いの兄

この怖い話は約 2 分で読めます。

214: 本当にあった怖い名無し:2005/11/06(日) 01:16:14 ID:L3tRG75G0
木箱の中に骨壷が入っているものだと、先輩は思っていたそうだが、違ったそうだ。
「いや、ただの箱だよ。納骨は終わってる。びびらせるつもりでさ」

友人が白い布をとくと、蓋つきの木箱が現れた。
「中身はからっぽのはずなんだけどな」
蓋を開けると、中身はいっぱいの黒土が。
「なんだこれ」
箱をひっくり返して土を落とすと、拳大の塊が一つ出てきたそうだ。

先輩と友人が間近で確かめようとすると、鼻を突く異臭がしたという。
傍らにあった木の枝でつつくと、それはひからびたミイラのように見えた。

「これって胎児じゃねえーのか」

215: 本当にあった怖い名無し:2005/11/06(日) 01:17:24 ID:L3tRG75G0
先輩と連れが顔を見合わせていると、震える声で友人が言ったそうだ。
「妹はあいつを連れてったのかもしれない」

二人がぞっとして友人を見ると、さらに言葉を続けた。
「遺書に書いてあった。あいつと子供と、三人で暮らしたかったって」

後日、先輩が語ったのは、多分、その友人がホストを殺したんじゃないかな、とのことだった。
先輩も、その友人と連絡が取れなくなって、数年たつという。

Page: 1 2

bronco

View Comments

Share
Published by
bronco

Recent Posts

迷い

霊とかとは全然関係ない話なんだ…

4年 ago

血雪

全国的にずいぶん雪がふったね。…

4年 ago

母親の影

私が小6の時の夏休み、薄暗い明…

4年 ago

閉じ込められる

彼はエレベーターの管理、修理を…

4年 ago

彼女からの電話

もう4年くらい経つのかな・・・…

4年 ago

テープレコーダー

ある男が一人で登山に出かけたま…

4年 ago