Categories: 洒落怖

安物件

この怖い話は約 3 分で読めます。

で、いざ中に入って写真を撮るぞ!って時に、パートの姉ちゃんがポツりと言った。
パートの姉ちゃん(以下パ姉)「○○君(俺の名前)、頑張ってね」
はぁ?と思った。まぁ、簡単に言えば、1人で撮ってきてね私はここで待ってるよ。って事だわな。
ちっさくガッツポーズで俺を励ます年上ポニテのお姉さまの姿を見て、カッコつけたくなった俺は
俺「じゃあ、行ってきます!」
と単身で部屋の中へとはいって行った。
で、デジカメで写真を撮るわけだけど、3DKだから撮る写真の量が多いんだ。必然、部屋の中にとどまる時間も増える。
部屋の写真はまだ良かったんだけど、風呂、トイレの写真を撮るのには勇気が必要だった。
電気がつかない状態で、暗いトイレと風呂の写真をカメラのフラッシュ頼りに撮るんだ。超怖い。
でもまぁ、なんとか全部を撮り終えた俺は、パートの姉ちゃんに気づかれない程度の速足で部屋を出た。

755 本当にあった怖い名無し 2010/07/24(土) 22:40:16 ID:tWx0SnjR0

俺「撮ってきましたよ!」
俺はデジカメを姉ちゃんに押し付けると、すぐに扉を閉めて壁にもたれかかった。
想像以上に疲れてた。外に出た瞬間に、暑さでどっと汗が噴き出した。
俺は研修生という身分上、撮ってきた写真をこのパートの姉ちゃんに確認してもらわないといけない。
で、もしもダメだったら撮り直しになっちまう。だから、全身全霊で完璧の写真を撮って帰った。
後は姉ちゃんの「おk」の言葉をもらうだけ。俺は半ば祈るようにして姉ちゃんの口が開くのを待った。
パ姉「うん、問題ないね」
カメラから視線を俺に移して、姉ちゃんがそう言った。俺は思わず「イヤッホォォオオオウ!」と叫びそうになった。
俺「じゃあとっとと次行きましょう」
パ姉「あ、でも待って。動画撮れてないね」
言われて俺は気づいた。とっとと終わらせたい、と急いていたせいで、写真の他に室内の動画を撮る事をうっかり忘れてしまっていた。
俺は滅入る気をなんとか持ち直して、再びデジカメ片手に部屋の中へと戻って行った。

758 本当にあった怖い名無し 2010/07/24(土) 22:45:57 ID:tWx0SnjR0

で、俺は部屋の真ん中でデジカメの昨日を動画に変えて再び撮影に戻った。
教えてもらった通り、顔からデジカメの画面を話して、脇をしめて体全体で回るように撮る。
動画は基本10秒まで。とっとと帰りたかったけど、この10秒はどうにもならない。とんでもなく10秒が長く感じた。

長い10秒を終えて、俺は今度は姉ちゃんの目とか気にせずダッシュで部屋を出て、すぐに姉ちゃんにデジカメを渡した。
で、再び姉ちゃんのチェックが入る
。で、動画を再生した時、動画の音声にノイズが入っている事にすぐ気がついた。
『ズ・・・ズーズズ・・・ズッ・・・ズーズー』
って感じ。今までにもけっこう写真は撮ってきたけど、こんな事は初めてで、俺も姉ちゃんもビビってた。
でもまぁ、なんとか許容範囲だね、って事でデジカメの電源切って車に戻ろうとしたときに、
パ姉「ぅわっ!」
姉ちゃんが突然大きな声を出した。
762 本当にあった怖い名無し 2010/07/24(土) 22:52:26 ID:tWx0SnjR0

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