Categories: 洒落怖

ユンボの行方

この怖い話は約 3 分で読めます。

その瞬間なにか嫌な予感がした、したがここまで来たんだ。
一瞬見失ったユンボを探す為に山の道の前に立った、さっきは一瞬だったがその先はまだ見通しがいい方で先が見える。
すぐに動いてるユンボの後ろ姿が見えた座席にも誰かが乗っているのも確認出来た。
だが見た瞬間背筋がぞくっとした、なまじドカタだから、ユンボにも乗った事があるからわかったのかも知れない。
その座席に乗っている奴の異常さというか、そういうものが

本来ユンボはどこでも走れるようにキャタピラなんだが、舗装されてない勾配のキツイ山道を走ると、どうしてもガタガタ揺れてしまう。目の前に見えるユンボの様に
ただ座席に座っている人間はバランスをとる為に体をなるべく踏ん張らせようとするはずだが、それこそ20m先だろうか、ユンボに乗っている奴は首の座ってない赤ん坊のように、
もしくは等身大の一の切れたマリオネットというか、もしくは死体が運転しているがように揺れも気にせず首がガクガクと山道の揺れと同じ様に不規則に動いていた
断言してもいい、たとえユンボを運転したこと無い人間でもあんな動きはしない

そもそも、夜中に、こんな台風の中、行き止まりの山へ向かってユンボが走ってる?
この時、生まれて初めて背中にくるゾッとした感じが全身に走ったのがわかったのと同時に、本能が告げた
今すぐこの場所から速やかに逃げろと、なんかわからんが『アレはヤバい』

俺はアパートに向かって逃げた。一回だけ山がギリギリ見える場所で振り返った、ユンボのヘッドライトがまだ山道で動いているのが見えた

354 344 New! 2011/08/23(火) 03:04:35.16 ID:+lI1AQCf0
次の日の朝、明るくはなっていたが風はまだ強かった、いつもなら出勤する時間だが休みなので俺はまだ部屋にいた
少しは眠って感覚は薄まったものの、あれは夢じゃないと思っていた。
とりあえず煙草を吸おうと思って外へ出た時だった、隣の現場で声がする。おっさん達が、なにか大声で話していた。

答えは簡単、そう例のユンボが消えている件だ。
おっさん達はあまりにも天気があやしいので道具類を回収しようとやっていたのだが、ユンボがないので最後にユンボのキーを直したのは誰だとか喚いていた
ちなみにキーは物置の中に入っていたのを昨日複数人で点検していたのだが、なぜか消えていた

とにかく会社に怒られるのを覚悟で警察に電話するか、手分けして探すかを話し合っていた時に俺が顔出したもんだから
「おお、○○くんユンボ知らんか?」

と聞いてきた。俺は昨日のことを思い出したが、「知らんけど、探すなら手伝う」と答えた。
結局俺を含めた6人で探すことになった。俺が向かったのは、山の方角だ。
嫌な予感はしたが、ひとつ確認したいことがあった。
山に向かう途中で道が舗装されてないので、土ならキャタピラの跡があるはず

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