Categories: 洒落怖

戦利品

この怖い話は約 3 分で読めます。

先ほど探索したお別れ会のあった部屋。そこの部屋あたりに不自然な出っ張りが見えたのだ。
そんな空間あったっけ? と思い立ち、もう一度その部屋を探索してみることにした。

不自然な出っ張りがあったのは、正確にはその部屋の向こう側にある部屋だった。
その場所を調べてみると、どうやら押し入れみたいで、布団や毛布がぎゅうぎゅうに詰まっていた。
なんだ、それだけか。と踵を返して出て行こうとしたその時、毛布の向こう側に空間があるのを発見した。
汚れた布団にはあまり触りたくなかったが、好奇心が勝り、布団を何とか引っ張り出してその空間へと足を運んでみた。
そこは4畳ほどの青いタイル張りの空間、的確に言うならバスタブの無い風呂場のような場所だった。

671 本当にあった怖い名無し sage 2011/09/24(土) 14:36:39.50 ID:bt7BnjRy0

あるのは蛇口と排水溝、後は照明の配線跡くらいだった。
それだけなら、園児達の粗相を洗濯する所と思えたのだが、赤黒い染みや塊、髪の毛っぽい黒髪などが排水溝周りや壁にこびり付いていた。
それを見て、これってヤバクね? と流石に思い、友人にこの事を知らせようと、慌ててその場所を飛び出した。

友人は職員の部屋におり、ロッカーの一部を無理やり抉じ開けたて何かを見つけたのか、俺を認めると真っ先に声をかけてきた。
友人が「ホラ、これ見ろよ。すっげぇぜ」とヘラヘラしながら手につかんだものは、同じく赤黒い汚れで覆われたペンチやら錐やらの工具でした。
依然友人はヘラヘラしながら「これ赤錆かな。血みてーだな」とか、「殺人事件があったりしてな」とかほざいていたが、とても笑えなかった。
その後友人に事情を説明し、例の部屋を見せてから慌ててその廃村を後にした。

その後、きちんと警察に連絡をしたのだが、何の連絡も進展も無い。
人里離れていた事や、突拍子の無い事でイタズラと判断されたのだろうか。
もしかしたら、薄暗い中での見間違いだったのかもしれないが、今では知る術はないので、こんな形でカキコ。
ちなみに友人談では、ロッカーは2,3個抉じ開けたらしいが、例の工具以外ではエッチな雑誌と鉄の輪っかみたいなのしかなかったらしい。

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