Categories: 洒落怖

地獄の団地

この怖い話は約 3 分で読めます。

K君の母親が婆さんを着替えさせようとして近づくが、さっきまで大人しかった婆さんが人が変わったような様子で暴れだす。
「ヒィィイイイイ!!ヒィィイイイイ!!いやだあああ!助けてええ!ヒィィイイイイィィィ!!」
しかも動物みたいな、赤ん坊みたいな、とにかくやたらと不快な声でわめき続ける。
K母が風呂場に連れて行こうとするが、婆さんが暴れて漏れた部屋が部屋に散らかる。
おろおろするしかない俺ら、糞が飛び散って食えなくなったおやつ、本当に糞ゲーと化したメガドライブとおそ松君、泣き出すK君。
そしてBGMとして流れる電子音の気の抜けた音楽。(参考http://www.youtube.com/watch?v=2zB9gtE86pg)
俺は糞がつくのが嫌でベランダに避難したが逃げ遅れたFやにも糞は飛び散っていた。

その後、婆さんの叫び声を聞きつけた近所の人が糞まみれになりながら取り押さえて風呂場に連れ込むまでこの地獄は続いた。
しかし、やっと地獄から開放されると思ったのもつかの間だった。
近所の人で、婆さんと糞をどうやって対処しようかと途方にくれている所に、一人のおっさんが現われた。
そう、この婆さんの息子だ、その息子は「すいません、お袋がご迷惑なってるって張り紙よんできたんですけど」とか、この惨状をみながら
ぬけぬけと抜かしやがる。

444 3/3 sage New! 2011/09/13(火) 03:17:24.57 ID:dK8qJhiy0
だけどもう、一同文句をいう気力も無いので婆さんをとにかく引き取ってもらうことに。
しかし息子を引き合わせると婆さんがより一層怯える、そして叫ぶ。
そして叫ぶ婆さんに息子が恫喝、「てめえ!ババア!!死にぞこ無いの分際でふらふら歩き回るんじゃねえ!あと自分で撒き散らした糞は
自分で掃除しておけよ!掃除終わるまで帰ってくるんじゃねえぞ!」とか、わけの分から無いこと言い出す始末。
K母も近所の連中も唖然。K母が半泣きで「掃除は良いから、早くつれて帰ってください。」
息子が「へへへっ、すいませんね。じゃあお言葉に甘えて失礼しますね。」てなやり取りのあと力ずくで婆さんを連れ帰った。
ちなみに、後で聞いた話だとこの息子、本当は仕事はしてなくてパチンコに行ってたらしい、なので夕方前の時間に家にもどって来れたみたい。
K君の家はそのあと近所の人に手伝って片付けられたそうだ、あと、K君はその日Fの家に泊まったらしい。

俺にとっての地獄はここで終わり。

しかし、その婆さんは自分の家も忘れるほどのアルツのくせにK君の家はしっかり覚えていたらしく週に2~3かい訪ねてくるようになったという。
もちろんあんなことがあったので家に上げるようなことはしなかったが、婆さんはかなりしつこく呼び鈴を押したり。
「ここは私のおうちよーー!」とか家の前で叫んだりかなりの大迷惑だったそうだ。
結局この訪問は婆さんが死ぬまでの間、期間にして半年チョイ続いた。

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