Categories: 洒落怖

廃墟探索

この怖い話は約 3 分で読めます。

885 本当にあった怖い名無し New! 2011/12/02(金) 10:52:21.29 ID:TQzRxFzv0

俺は神戸出身で、今は留学中だが、これは去年の今の頃、神戸であったある夜の話だ。
いかんせん作り話でないため、因果関係が複雑だ。色々な出来事がこの一夜を成している。
語り始めることにする。
その頃、俺はある所でバイトをしていた。 客の少ないある夜、俺と二人で仕事していた
先輩のKさんが、友人から聞いたという話を俺にしてくれた。
Kさんはパンクマニアで、その話もロッカーの仲間と飲む中で、その一人が話したのだそうだ。
長話をしてKさんから詳しく聞くわけにはいかなかったが、以下のようなことだった。

「その人が友達と酔っ払って、真夜中の通りをぶらぶらしてたら、廃墟を見つけたんだって。
酔った勢いで入ろうとしたら、ドアが開いていて、簡単に入れた。
中は凄い荒れていて、昔の本が散らかっていたらしい。ひとしきり調べると、地下に入る扉を見つけたんだって。
流石に気持ち悪いけど、その人入ったらしい。それは大きくも小さくもない部屋で、なんか
箱がずらっと並んでいた。何だこれと 思って近づいて見たら、その全部が棺桶だったらしい。
しかもひとつひとつ壁に遺影が架けられていたんだって。それを見てこれはヤバいって逃げたらしい」

886 本当にあった怖い名無し New! 2011/12/02(金) 10:53:26.95 ID:TQzRxFzv0
Kさんはまたこんなことも言っていた。

「それからしばらく経って、また夜遅くにその人たちがそこ行ってみようって言って行って
みたんやて。今度は懐中電灯も持って。
で、建物に入ろうとしたら、ビルの陰からこっち見てる女を見つけたんやって。それは婦警の格好をしていて、ずんずんこっちに近寄って来た
らしい。その人たちは自分たちが懐中電灯持って建物入ろうとしているから怒られるんじゃ
ないかと思って皆逃げたけど、よく考えたらそんな夜中に婦警が居るはずないって気付いて、
それじゃあの女誰なんやって皆怖がったらしい」

Kさんは「俺は絶対そんな所行かへん」と言っていたが、俺の頭には残っていた。
話は続く。頭痛が酷く、時間がかかるかも知れないが、よければ待っていてほしい。

890 885 New! 2011/12/02(金) 11:32:27.57 ID:TQzRxFzv0
待っていてくれている人、どうも有難う。

この廃墟のことは一旦置いておいて下さい。一つをちゃんと話すには十を話す必要がある。
俺はちゃんと話したいと思う。

舞台は全く変わる。
俺は、神戸港湾地区の、ある生糸工場に行ったことがある。
今はもう、人の居ない、旧生糸工場だ。夕方、一度だけそこに入ったことがあったのだ。
それは赤煉瓦造りの大きな洋風建築だった。時代の中で、違和感を持つ、孤島のようなものだ。
建物の中は暗く、冷たく、沈静した空気と黴の匂いで充ちていた。
建物は大きく、複雑で、迷宮のようだった。私は友人のGと二人で歩いていた。
工場には昔の蚕の繭がそのまま残っていたりした。
私たちはある奥まった廊下の壁に、地下へと続く入り口を見つけた。その先は真っ暗だったが、携帯を持っていない俺はiPodを、機械に強いGはiPadを、それぞれ光らせ、微かに足元を照らした。

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