Categories: 洒落怖

秘密基地

この怖い話は約 3 分で読めます。

時間は正午。窓から注ぐ日の光も十分届いている。なのに箱の中は暗くて見えない。
みんな見えないはずなのに勘違いからか「何が入ってるん?」と本来ならば
見える箱の中身を知りたがっていた。おもむろに誰かが手を突っ込む。
585 4/9 ◆45ufnzNc1s New! 2011/04/08(金) 13:51:17.75 ID:YsJCF6vK0
「わあぁぁぁぁ!!」
「どうした!?」「大丈夫!?」
「嘘だよ~ww何も入ってないしー」
みんな自分のプライドを捨ててまで心配したのにこの仕返し。
必死に「だと思ったww」言い合って笑い合っていた。
でも俺は一瞬だが見えた。箱の中の手がCを掴んでいたのを。

それからだ、家を覆う雰囲気が一転した。人気の無かった家は今ではまるで
誰かが住んでいる住居。今にも住人が起きてきそうで…
それでも俺は「ここやめとかない?」とは言えなかった。怖がり、と
馬鹿にされるのが嫌だったから。

さらに翌日、今度は大量にお菓子とジュースを持ち込み、夕方まで過ごした。
箱は今では玄関に放置されている。

586 5/9 ◆45ufnzNc1s New! 2011/04/08(金) 13:52:38.42 ID:YsJCF6vK0
金曜日のこと。明日が土曜日ということもありかなり遅くまで居ようと
みんなで決めた。親にはそれぞれ今日は誰々の家に遊びに行くから遅れる、なんて言って。
夏なのに6時を回る頃にはすっかり暗くなってしまった。買ってきたお菓子も
半分は食べてしまい、退屈を持て余していた。
Cがトイレに行きたいと言ったがなんせ家のトイレは流れないため、外の雑木林でするしかない。
Cは戸惑いながらもみんなに「怖がりー」などと言われてしまっては行かないわけにいかない。
Cが戻ってくると面白半分に「肝試しをしよう」という話題になった。
条件はこの家を1週。1人が周り、他の奴は家の外で待機。
俄然盛り上がった。順番はじゃんけんで、A→俺→C→B。

587 6/9 ◆45ufnzNc1s New! 2011/04/08(金) 13:54:23.73 ID:YsJCF6vK0
Aが終わり、俺の番。まずは1階をぐるって回る。暗さ以外の恐怖はない。
問題は2階だった。箱のあった部屋から明らかに気配がする。
そんな気配があれば普通はどんなに暗闇でも見えるはず。でも見えない。
その部屋を早々に切り上げ外に出る。
次はC。やたらと早く帰ってきた。たぶん急いだのだろう。
最後にBの番なのだが、俺ら残り組は今まで何も起こらなかったので
3人で遊戯王のことで盛り上がっていた。
突然2階からB(と思われる)叫び声が聞こえた。全員硬直。恐怖心でいっぱい。
家から音がする。そして玄関の扉をたたく音。ドンドンドン!!「頼む!開けて!!」
3人ですぐさま玄関を開けようとする。しかし開かない。
もともと古びていたドアだがこのときはビクともしなかった。

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