Categories: 洒落怖

泣き女の話

この怖い話は約 3 分で読めます。

853 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/05/25(水) 01:28:31.43 ID:5aXTVKNp0
泣き女の話

深夜、不審な徘徊を繰り返す人の噂は大抵どこの街にでもある、そんな話。
私が住むのは工業地帯のベッドタウン。まわりはほぼ住宅地。大きなビルなんてまずない、そんな所。
今は旦那と二人で3DKのマンションに住んでいるが、そこから歩いて5分の所に私の実家はある。
一大住宅街のど真ん中にぽつんとある神社。そこに私の実家がある。これをいうと実家が神社やら神道やらいわれるけど全然関係ない。
理由はよくしらないけれど、一種の管理人みたいな感じ?家族は仏教徒だし、別に巫女さんとかもしてるわけじゃない。

まぁ、でも実家の扉あけたらすぐ目の前が神社の境内なので
(ていうか毎日鳥居くぐって家に帰ってた)そりゃあ、いろんなコトがありました。

その中の一つが、泣き女。
私の部屋は境内に面した所にあったので、窓越しにいやでもそいつの声が聞こえてくる。

深夜1時~2時頃、毎晩というわけじゃないけれど週に一回は泣き女の泣き声が聞こえた。
泣き声と書いてはいるが、鳴き声といったほうが正しいかもしれない。

おぉおぉ・・・ぅおおおぉぉぅ・・・

とすっかり寝静まった住宅街に泣き女の獣ような鳴き声はよく響いた。
初めて聞いた時は、得体の知れない妖怪でも現れたのだと布団の中で震えていたのをよく覚えている。
幾度とそういう夜を過ごすうちに、それが確かに人間の声だとわかるようになった。
きっかけは近隣住民の通報。夜中に大声で「おぉおぉ」いってたらそりゃあ誰だって警察呼ぶわって話。
しかし、警察がくる頃には泣き女はさっと姿をくらまし、いつもうちが事情を説明していた。
何度とそういうコトがあった挙げ句、私が泣き女じゃないのかと警官にいわれた時には心底頭にきた。親もさすがにカチンときたらしく、警官に食ってかかっていた。
それからまもなく、神社の前がパトカーの深夜パトロールのルートに加わったことで泣き女もそう頻繁には
現れなくなった。

854 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/05/25(水) 01:29:56.17 ID:5aXTVKNp0
正体がわかれば変なもので、恐怖からやがて怒りへと変わっていき、
(深夜の暴走族に覚えるような怒り)時折、現れても無視することができるようになっていった。
ただ、正体がわかった、といっても相手は少なからず生きている人間で女だということぐらいで
気味が悪いということには違いないし、真っ向から立ち向かってやろうなんて勇気はなかった。

ところがある日、深夜のバイトがおわって家に帰ると、運悪く出くわしてしまった。
泣き女に。
いままで不思議と鉢合わせになんてコトはなかったのに、その日は本当に運が悪かったのか、
それとも今までたまたま運がよかっただけなのか。

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