Categories: 洒落怖

泣き女の話

この怖い話は約 1 分で読めます。

・・・泣き女はただ、砂利にうずくまってひたすらに鳴いていた。
時折、砂利を手で掬い上げては、四方に投げ飛ばしていた。砂利の音はこれだった。
あいつが近づいてきていると思ったのは私の勘違いだった。

「おぉぉぉ・・・うぉぉおお・・・。」

その姿は、なんとも憐れで、とても哀しそうだったのが今でも目に焼き付いている。
私は、どっときた安堵感とその異様な光景にただただ呆然と立ち尽くしていた。
家に入ることも、怒りの絶頂にいた母が自分の前にいたこともすっかり忘れて。

Page: 1 2 3

bronco

Share
Published by
bronco

Recent Posts

祖父の遺品

3年前くらいなんだけど、半ボケ…

4年 ago

三つの選択・ひとつ作り話をするよ

いつものように僕の部屋に集まる…

4年 ago

白い傘と白い服

友人と遊んだ後、雨降ってるし時…

4年 ago

着信

俺が住んでる地元であった本当の…

5年 ago