Categories: 洒落怖

探検隊

この怖い話は約 3 分で読めます。

これだけ書くとアレな人だと思われそうなので怖い話を・・

まだ小学生5年生だった頃、俺はアホの子だったので
近所の友達を集めて「グーニーズ」という探検隊を結成していたりした

活動内容は森に秘密基地を作ったり、自宅(市営住宅)のベランダにダンボールハウスを作ったり
土建屋の親を持つ仲間がGETした棒でマンホールを開けてカマドウマ軍団にマジ泣きしたり

そんな昭和62年当時は近所に廃工場や廃屋が結構な数放置されていた
急速に森が住宅分譲地になり、秘密基地も夏休みを待たずに更地にされてしまった

夏休みが来ても、暇すぎた俺たちグーニーズ
隊長・貧乏で母子家庭な俺
副長・デブの土建屋息子
隊員・貧乏で家庭の複雑な女子
隊員・極貧で家にリンゴしか食料のなかった5人兄妹の末っ子男子
隊員・転校してきたお金持ちの息子

学校の裏山的な山にある廃墟へ冒険に出かけたんだけど、スモールサイズな農家タイプの廃墟が一軒だけあるんさ
どんだけスモールなのかというと、まだ現存してるから分かるけど六畳間2部屋と土間だけしかない
周囲は竹薮で覆われていて、遠目から家の存在も分からないくらいなんだけど
庭スペースはわりとスッキリしてたりする
庭の東側には石垣が積んであって、その上に畑だったと思われる荒地が広がっている

学校の先生曰く「放置バスと空き家に、浮浪者が住み着いているので夏休み中に絶対近づかないように」だった
たしかに放置バスでは事件も起きてたりした

地元の中学校で有名なヤンキーだったカキウチ君という人物が冷やかしでバスに乗り込み
仲間とアンパン吸っていたところに「家主」が戻ってきたという
ラリラリなカキウチ君という人は仲間3人とで「家主」に襲い掛かったが
全員ボッコボコに叩きのめされて前歯が折れたとかなんとか噂になっていたりした

118 本当にあった怖い名無し sage 2011/02/17(木) 00:18:43 ID:lZ1oVnr80
そういった事件というか噂もあったので
廃農家に着いた俺達にとっての最大の恐怖は「廃墟に相応しくない生活臭」だった

現地に着いた時、みんなで声を殺して「浮浪者がいる感じだったら即撤退」と決めた
庭は草がボーボーで「グリンッグリンッ!青空に~は」という歌詞が浮かんでは消えた
・・・もちろん小鳥は歌っていなかったが緊張感がみなぎっていて蝉の声だけが、やけに大きく聞こえた
石垣には赤錆で覆われたなにかの部品が山積みだったけど「生活臭」は大丈夫そうだ

藪を掻き分けつつ玄関先まで辿り着くが、玄関には戸が無く土間から朽ちた六畳間が見えていたので
「生活臭」は全然ないぞ!と一安心した、みんな自然と声が大きくなる

武器に持ってきた花火やバット、でっかい音の鳴る笛、煙の出る駄菓子屋産手品アイテム
それらを玄関先に置いて、それぞれの「食料」を食べて一息ついた
俺の食料は「うまかっちゃん」と「酢だこさん」だけだったけど極貧からリンゴも貰えた

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