Categories: 洒落怖

暗闇の子

この怖い話は約 3 分で読めます。

『部室を出るときに、この子を一緒に連れて出ればよいだろう。』

そう思いなおして、子供に背を向けながら着替え始める。
しかしその瞬間、背後から物凄く嫌な気配を感じ、再び背筋が凍りつくような感覚に支配された。
気持ちが悪くなるほどネットリとなぶられるような、纏わりつくような視線を強く感じている…。

急に怖くなって後ろを振り向いたら、例の男の子は相変わらず入り口を見てニヤニヤ笑っている。
嫌な感じはしたものの、ちゃんとそこに居るし『幽霊とかじゃないよな? 気のせいか?』と思って着替えを
再開したのだが、子供に背を向けるとやっぱり感じるのだ。恐ろしいほどハッキリした気持ち悪い視線を…。

857 暗闇の子(3/5) sage 2011/02/11(金) 02:34:50 ID:95h8ebib0
そこで、『絶対にこのガキが俺の事を見てるのは間違い無いんだから、気づいてないフリをしながら、
最も視線を強く感じた所で振り返ってやろう。』と考えた。

そして暫く視線を無視しながら着替えを続け、頃合を見計らって素早く後ろを振り向いた時、
俺は自分の浅はかな行為に心底後悔することになった。

子供は首を不自然に曲げて目をカッと見開いたまま、あり得ないほど引きつった表情を浮かべている。
その表情に加えて先ほどとは明らかに異なるニタニタするような不気味な笑みを浮かべ、
その表情はもはや人間のものとは思えないような恐ろしさを醸し出していた。

そのこの表情を凝視したあと、ふと目が合っていることに気がつくと、不覚にも俺の恐怖は最高潮に達してしまった。
着替えが中途半端なまま、逃げる様に部室から飛び出すと、着衣が乱れるのも気にせず、
全力疾走で職員室へ飛び込み、顧問の姿を確認した時には、恐怖で冷静さを完全に失っていた。

そして息も絶え絶えになりながら質問をぶつけようとして、恐怖のために声が出ないことに驚いた。
俺が声を出そうとして力の限り叫ぶと、完全に上ずった頼りない声が小さく漏れた。
まるで自分が自分でないような感覚に陥る。

走ってる途中でズボンが脱げ、パンツ一枚になり、上もTシャツだけの無様な格好になっていた事と、
パニック状態にある俺の様子に、顧問は驚愕の表情を浮かべたけれども、まずは俺を落ち着かせ、
呼吸が整ったところで、改めて何があったのかを問いただしてきた。

促されるままにしばらく深呼吸をして呼吸を整えたので、ようやく冷静さを少し取り戻すことができた。
言葉を一つ一つ選びながら事の次第を話し始めると、話の途中で顧問の表情がサッと変化した。

858 暗闇の子(4/5) sage 2011/02/11(金) 02:36:56 ID:95h8ebib0
その瞳には見る見る恐怖が浮かび上がるのが感じられる。そして俺の話しをすべて聞き終えると、
顧問は声にならないような低いシワガレ声で、搾り出すように言った。

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