Categories: 洒落怖

異変

この怖い話は約 3 分で読めます。

ビデオを持っているのは岡田のようで、背の高い岡田がビデオを持っていると少し前を歩く西崎が少し小さく見える(元々西崎も背が高くはないんだが。)
思わず俺が「(西崎)ちっせwwww」と呟くと何故か岡田が殴られていた。
ビデオから息遣いが聞こえてくるのは同じだったが、ノイズが先の組よりも大きい気がした。
お前変なとこ触った?などと聞かれて「そんなはずないと思うけどなあ。これはひどい」と岡田は答えで申し訳なさそうにしていた。
やがてビデオの中の岡田が「怖い話をしてやろう」といい、西崎が笑いながら耳をふさいでわーわー言ってる辺りからノイズが激しくなり、2人の声が聞こえないほど大きくなっていた。
これは変だと言うことでとりあえず音量だけ下げて「お前なんか変なもんついてんじゃねーの?」「連れて来てんじゃねえだろうなw」とからかわれ
「いやいや俺0感だからw罰当たりなこともしたことないしちょ離れないで傍にいてw」と離れようとしていた西崎の腕をつかみながら弁解する岡田でひとしきり笑っていたら、いつの間にかノイズが聞こえなくなっていた。

428 本当にあった怖い名無し sage 2010/12/01(水) 18:04:57 ID:AapN6Wp70

ビデオの方を見ると岡田の背中が映っており、ビデオの視線もいくらか低くなっていたので音量を元に戻し再び静かに観賞し始めた。
岡田が「ああ、これ、俺が腕疲れたからって代わってもらった辺りか。……背が低いと世界はこんな風に見えるのかあ」とぼやくと
今度は西崎だけでなく背が低めの上級生からも殴られて平謝りをしていた。
岡田がビデオを構えていたときは基本的に視点は前を向いており、たまに西崎が指差すほうを見てズームをし、また視点を戻すという感じだったが
西崎のビデオはひっきりなしに左右に首を振っているかのように中々落ち着かなかった。
「お前きょろきょろしすぎwww」と言われた西崎は照れたように頭をかきながら「いやあ……」とだけ言った。岡田はニヤニヤしている。
その後何事もなく2人は歩いていき、時間的にもそろそろ終わりかと思ったころ1人の上級生がポツリと
「……さっきから岡田、うつってなくね?」

その一言に、ぞくりとした。ぞわぞわと。ビデオはまだキョロキョロと視点をさまよわせている。右に左に、また、右に。岡田がいない。
室内に異様な雰囲気が漂った。誰もが息をのんでいるようだった。岡田のほうを見れない。
いや、何もおかしくはない。ビデオもさすがに真後ろまで向いていない。
西崎の後ろを歩いているとしたら。映っていなくても当然なのだ。岡田は最初ビデオを構えて西崎の後ろを歩いていた。
だから、そのままの隊形で進んでいれば映っていなくてもおかしくはないのだ。
しかし、ビデオの持ち手が変わったとき、岡田は確かに西崎の前を歩いていた。いつの間にまた後ろに回ったんだ。何故?

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