Categories: 洒落怖

勧誘

この怖い話は約 3 分で読めます。

と頼まれた。まぁ幽霊とか神様とかまるで信じないので、まぁいいかなぐらいでOKした。

早速、次の週末にお呼びがかかり、○○区のある一軒家に連れてかれた。家からそう遠くは無いので自転車で待ち合わせ場所に行ったら、「徒歩で来い、アホ」と怒られた。

渋々、近くに自転車を止めて、その一軒家に入っていった。入った途端、トキコさんと連れにケイちゃん(おじさんは都合が悪くて来なかった。)が、「あぁ、いますね、いますね。」とか言い始めて、しかめっ面になった。

ただ、僕には何がいるかも分からなかった。普通の一軒家だと思った。

居間には中年夫婦がいて、僕らにお茶やら、お菓子を出してくれた。笑ってたけど、かなり引き攣ってたの覚えている。

11 4-7 sage 2010/06/12(土) 09:56:12 ID:IPjkUC9n0
しばらくすると、トキコさんが、「早速、始めましょう。その部屋に案内してください。」といって、立ち上がった。何が始まるのか、よく分からないまま、二階に案内された。

階段上がると左右に二部屋あって、その右側の部屋の扉の前で止まった。扉にはアルファベットで「TAKAO」って書いてあった。

「ここです。」

そう中年夫婦に言われた。トキコさんとケイちゃんは、背負っていたリュックサックの中から、塩を出して、ペットボトルの水と振りかけ、両手にまぶした。

何が始まるんだろう?とか思いながら、俺も両手に塩まぶした方が良いのか聞いてみると、
「お前には必要ない。ただ言われたとおりにしろ。」と言われた。

中年夫婦には何があっても、絶対に取り乱すなと注意をしたトキコさんは、扉を開け中に入った。僕も後ろに続こうとした時、中から黒い影がトキコさんに覆いかぶさってきた。

TAKAOという中学生ぐらいの少年だったが、異様に眼がギラギラして歯をむき出しにして「ガジャガジャ、ガジャー!」みたいな事、叫んでた。トキコさんの首に噛み付こうとしていたので、流石に僕もこりゃイカンと思い、少年を引き剥がそうと彼に近寄った。

TAKAOくんは僕の顔を見るなり、震え始め、ベッドの隅っこに逃げて身を丸めた。

「体のどこでもいいから、引っ叩け!」

トキコさんにそう怒鳴られた。なので、悪いなぁとは思いながら、丸まってる背中を引っ叩いた。そんなに強く叩いた覚えは無かったが、

「うぎゃー!」

とか言って、TAKAOくんは泡吹いて倒れた。

12 5-7 sage 2010/06/12(土) 09:57:14 ID:IPjkUC9n0
倒れているTAKAOくんを介抱しようと両親が近寄る。「そんな強く叩いてないよな。」とか思いながら横目で、トキコさんを見ていると、

「これでお祓いは終りました、もう大丈夫。」

そう言った。たしかそう言ったと思う。それから、TAKAO君をベッドに寝かして、中年夫婦にお礼を言われながら帰った。

なんでもTAKAO君が大人しく寝たのは、半年振りだったそうだ。ちなみにTAKAOくんの部屋は物凄い事になっていた。物は多分危ないから片付けたのだと思うけど、壁という壁に切り傷や穴があった。

Page: 1 2 3

bronco

Share
Published by
bronco

Recent Posts

迷い

霊とかとは全然関係ない話なんだ…

4年 ago

血雪

全国的にずいぶん雪がふったね。…

4年 ago

母親の影

私が小6の時の夏休み、薄暗い明…

4年 ago

閉じ込められる

彼はエレベーターの管理、修理を…

4年 ago

彼女からの電話

もう4年くらい経つのかな・・・…

4年 ago

テープレコーダー

ある男が一人で登山に出かけたま…

4年 ago