Categories: 洒落怖

嗅ぐ

この怖い話は約 2 分で読めます。

215 本当にあった怖い名無し sage 2010/03/13(土) 01:17:50 ID:9DpGI0OI0
…いつの間にか電気が消えている、どうやら寝ていた?
そんな気はなかったが…体の向きを変えようとして、奇妙な音に気づく。
ペタペタッ、ペタペタッと低いところから聞こえてくる。
…床に手をつける音…?何かが床を這い歩いて…
そう判断している最中にペタペタのリズムが早くなり、体が強烈に重くなった。
金縛りとは違う、目を開けるにも全力を使うような状態…
俺が見たのは正座で俺の胸の上に乗る女だった。
昔のアイドルが着るような黄色の派手な服だが、体は普通だ、頭が野球ボールほどしかなく、
頭蓋骨を抜いて干しあげたような質感をしている。結果、やはり人間には見えない!
「…Z…お…い…Z」
声を絞り出す俺に人間外女の顔が近づく…Z!気づいてくれ!

Z「ん…なんだ、どうし…あ、くせーな、居るなコレ、クンクン…」
ニオいながらこっちに近づいて来るZ、見えないは無敵。
Z「クンクン…この辺からだな…クン…え?なに、オマエの上に居んの?
うっわマジにか…クンクン…あ、コレはね、なんつーんだ、
ペット売り場系のニオイだな…小動物。あんまりたいした霊じゃないのかも…
クンク…ぇひっ!な、何だ、ひょっとしてこの辺アタマじゃね?
人外の部分は臭ぇーんだ、コイツ相当ブサイクだろ?クン…ゴフォッ!なんだろ、
ハムスターとかじゃねえぞ、亀の食い残したエサが水槽の底に溜まっ」
俺「あ、もういいよ、居なくなったから」
Zがニオイ分析~表現のあたりで大抵の霊は消える(女性霊は早く消える傾向がある)。
幽霊にとってニオイを嗅がれるのは余程ショックなのか、2度と出て来ないらしい。

翌日、久しぶりに熟睡できたというTさんが職場でこの話を披露した。
もともと冗談が好きなTさんの話に、ほとんどの人は半信半疑だが、
寮の人は感謝と畏敬を込めてか、Zを下の名前「カオル」と呼ぶようになった。

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