Categories: 洒落怖

逆さま

この怖い話は約 3 分で読めます。

今思えば何であんなことをしてしまったんだろうと後悔してる。

89 本当にあった怖い名無し sage 2010/02/24(水) 00:56:38 ID:NAXdgYBi0
3/5
まだ子供だったんで何も考えてなかったんだろうな。俺はその串を
抜いて御札を手に取り、色々と観察してみた。かなり年季の入った物
であることがわかった。漢字で何か書いてあるが読めない。そして
串はよく見ると弓矢の矢のようだった。と、その時だった。

ドスン!・・・ドス、ドス、ドス・・・

何かの大きな音が聞こえてビックリした。従兄妹も驚いたようだ。
その音は大人が歩いているような音だった。誰か2階に上がってきたの
かな?そう思ったが何かがおかしい。よく聞くとその音は俺らが乗っ
ている床?の上を歩いている感じだった。床の下の部屋から何かで突っ
ついているのかとも思ったが、そんなものじゃなかった。明らかに歩い
ている音だった。天井を逆さまで。。。

天井を歩くって・・・なんだそりゃ???
マンガやアニメではそういうシーンは見たことある。でも聞こえてくる
音はそんな現実逃避を100%吹き飛ばすリアルなものだった。従兄妹は
怖くて泣いている。とりあえず「逃げないとヤバイ」ことだけは理解
出来た気がした。俺は剥がしてしまった御札と矢をポケットにしまい、
従兄妹の手を引いて梁づたいに入口まで戻り始めた。

出来るだけ音を立てずに進んだ。例の足音はどうやら床をあちこちを歩
き周っているようだ。まるで何かを探しているような感じで。と、その
時ポケットの中から矢が床に落ちてしまった。

カタン・・・

91 本当にあった怖い名無し sage 2010/02/24(水) 00:58:20 ID:NAXdgYBi0
4/5
しまった!と思うのとほぼ同時にドス ドスドス!と足音が近づいてきた。
確実に俺らの真下にいる。。。ハァーッハァーッという息遣いや爪?のようなもの
で床を引っ掻く音まで聞こえてきた。恐怖の限界だった。従兄妹は怖さの
あまり目を見開いて硬直している。と、床のある1点に何かが見えた。

穴だ・・・
それは床に開いた直径3cm程度の穴だった。どうやら真下にいるやつは
そこから必死に覗こうとしているらしい。入口まではあと10m程もある。
このままでは逃げ切れないかも知れない。。。そう思った俺は床に落ちた
矢を拾うとゆっくりとその穴に近づいた。今にも心臓が破裂しそうだった。
そして恐る恐るその穴を覗いてみた。

目が合った。
ぁhf@j;あjdhふじこ!恐怖で声にならない声を上げ気がつくと
俺はその穴に矢を刺していた。

ドスン!
ギィャァァァァァァァァ!ドタバタドタバタ!

真下にいた何かが、本当の床に落ちた音がした。今しかない!俺は従兄妹
の手を引き入口まで一目散に突っ走った。そして外に出るとすぐに戸を閉め
ダンボール箱で戸を隠した。怖さで二人ともしばらく無言で固まっていた。
窓から差し込む光は夕暮れ色になっていた。ほどなくして親から夕飯だから
降りてこいとの声が聞こえて我に返った。

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