Categories: 洒落怖

足が来る

この怖い話は約 2 分で読めます。

うちはパン屋やってて、創業50年ぐらいになるのかな。
今は俺が跡継ぎ候補。
父親にケツ叩かれながら、修行しています。
パン屋は朝が早い、なんて言うけど、既に朝じゃないからな。まだ夜。
2時位に起きて用意するんだ。
最近は生地の用意任されてるから、俺1人だけがキッチンに立ってるわけ。
これ、一ヶ月前くらいかな?草木も眠る丑三つ時にドアの外に誰か立ってるんだよ。
上半分だけシャッター閉めてさ、下は俺が潜り抜けられるぐらいだけ開けてるんだけど。
足だけ見えるわけよ。
不気味な話なんだけどね。
そいつ何をするでもなく、気付くといなくなってる。
気になっては居たんだが、こっちも商売だしな。営業外の時間に構ってる暇は無いし。
ところが、最近になるとねこっちもアイツ来てるか気になっちゃってさ。
ついついふっとドアの方見ちゃうんだよ。
で、足があると「今日もか~」なんて習慣みたいになってるよ。
家族も元気だし、大した事故もしてないし、店もいつもと同じだしな。

一昨日ね、父親に話したんだよね。
「足が店に来てるぞ」ってね。
父親が「寝ぼけてるのか?」ってそれだけ言って終わったけどな。

昨日か、また生地の仕込みをしている時だったかな。
「足、いるかな?」ってパッと見たんだな。
そしたらいたんだよ。
足。
でもさ、昨日は髪の毛が少し垂れ下がってるのも見えたんだ。

あいつは一体なんなんだろうな。

bronco

Share
Published by
bronco

Recent Posts

ブライダルフェア

いや、たいして怖くないんだけど…

4年 ago

教祖の妻の肖像画

親が昔、へんな宗教にはまってた…

4年 ago

The Body

10年くらい前の話だけど・・・…

4年 ago

謎の曲

出所が分からない所からの楽曲ダ…

4年 ago

エレベーターで見たもの

じゃあ俺が生涯で一番ビビった話…

4年 ago

強烈な遺体

久しぶりに民話でなく現代の話を…

4年 ago