Categories: 洒落怖

兄弟

この怖い話は約 3 分で読めます。

私が中学生の時の話です。その当時、わたしの近所には、小学校に通う二人の兄弟が住んでいました。AとBとしましょう。
正確には分かりませんがAは3~4年生、Bは1~2年生といった感じです。
時々、私が部活の練習で素振りをしているとよくその子たちが寄ってきたので、年が離れているけれど私たちは友達になりました。
Aは活発な子でした。そこまで体格が良い、といったわけではありませんがガキ大将気質でした。
Bは何を考えているか分からない子でした。いつも無表情にAの後をついて行くのです。
Aと会ったときは、私に笑顔で挨拶してくれましたが、Bは私の顔をじっと見るだけで声をかけてくれるわけでもありません。
なので、私はBのかわいがり方がイマイチわかりませんでした。

ある日、私は二人を公園で見かけました。その兄弟はかがみ込んで何かを見つめていました。
私はなにしてるの?と声をかけました。
近寄ると、二人が何を見ていたのかが分かりました。
カラスの屍骸です。その体には蛆虫が這い回り、肛門からは誰かが突き刺したであろう木の細い棒がたっていました。
それはどうしたの?と二人に尋ねました。Aが死んでたの、とだけいいました。
それから、近所では猫などの小動物の屍骸が転がっていることが増えました。きまってその小動物には木の棒がささっていて、それをぼうっと兄弟が囲んで見つめているのです。
その時のAの表情は、Bの表情とそっくりでした。兄弟だからむりもありませんが。

868 本当にあった怖い名無し sage 2012/03/20(火) 01:09:53.23 ID:pYkhpGBw0
それから、私の家の近くの神社が全焼する事件がありました。犯人はAだそうです。一人で枯葉を集め火遊びをしていると、その火が神社に燃え移ったとか。
A宅は多額の賠償をしなければならないとか。おばさんたちの井戸端会議ではその話でもちきりでしたが、私はその二人の最近の奇行が気になっていました。

以前の面影も無く、無表情なAをたまたま捉まえて、なにがあったのかを尋ねました。
Aは○○がそうせいゆったから・・・といいました。
そういえば私はBの名前をしりませんでした。多分、Bの名前でしょう。
Bはどうしたの?と訊きました。
Bはおらんようになった。あれ以来、どこにいったのか分からん。
そしてAは下を向くと、来た道を歩いてていきました。Bを探すそうです。
それからBを見たことは一度もありません。Aも元気を無くしました。

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