Categories: 洒落怖

廃墟

この怖い話は約 3 分で読めます。

713 廃墟 1/6 sage New! 2009/08/09(日) 14:21:03 ID:kgjCD1sk0
地元ではそこそこ有名な廃墟があるんだが、
実際に行ったことはなかったので俺、H、Kの3人で肝試しに行った。
3人とも、幽霊はおろか金縛りにも縁は無かった。
そのくせ3人とも妙にビビりなので、誰が言い出した訳でもなく、
昼間に行く事になった(夜はDQNが多いという情報もあり)。

昔の別荘地か何かの一角だったらしいが、
今ではほとんどが伸び放題の草木に飲み込まれている。

他の建物は取り壊されて土台だけしか残っていないのに、
目的の廃墟だけが取り壊されずに残っているのは、
何か「いわく」でもあるのだろうか・・・そんな話をしながら、
車を降りて数百メートルの道のりを草を掻き分けて進むと、その「物件」があった。
想像していたより大きく、そして想像以上にボロボロの建物だった。
窓にはガラスは無く、スプレーであちこちに落書きがされていたし、一部屋根が崩れていた。
夜に来ていたら、不気味すぎて建物の中に入ろうなんて思わなかっただろうと思う。
しかし真夏の日中の明るさと賑やかに鳴いてるセミの合唱のせいか、ぜんぜん怖くはなかった。

714 廃墟 2/6 sage New! 2009/08/09(日) 14:21:48 ID:kgjCD1sk0
なんて事ない、ありきたりな廃墟。
家具などはそのまま残されていてひどく荒らされていたけど、
当時はさぞかし綺麗な建物だったろう。
せっかく来たんだし一通り廻ってみるかという事で、二階から探索を開始した。
が、ところどころに他の侵入者が踏み抜いたと思われる穴が床のあちこちに開いていた。
あっさり二階は探索中止(ヘタレですまん)。
一歩一歩、床の感触を確かめながら慎重に一階を廻ってみる。
荒らされてはいるが、これを所有していた人物は当時相当羽振りが良かっただろう事が伺える。
朽ちたソファーや食器棚などの家具がいちいち高そうだったから。

なんて事ない、ありきたりな廃墟。・・・のはずだった。

「うおぉっ!」と突然Hが声を上げた。振り返って見ると、
後ろを歩いていたHが床板を踏み抜いていた。
俺とKは腹を抱えて笑った。
Hは慎重に穴から足を抜くと、自分の開けた穴を覗いていた。

715 廃墟 3/6 sage New! 2009/08/09(日) 14:22:36 ID:kgjCD1sk0
俺は腹が減ってたし、鬱蒼とした廃墟の雰囲気がそろそろ嫌になってきていた。
「怪我する前にそろそろ帰ろうぜ」とHに言うとHは「ちょっと待ってくれ」と言い、
ポケットからペンサイズのマグライトを取り出して穴の中を照らし始めた。
コイツの準備のよさ、何なの?と思っていると、「下に何かあんの?」とKが言った。
Hは「ん・・・何だ?・・・部屋か・・?うん、下に部屋があr・・・!」
不意に、Hの言葉が止まった。
K「どうした?何か見つけた?」

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