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148 本当にあった怖い名無し sage 2008/04/14(月) 03:21:26 ID:6ZuHkialO
これは私が3年前に体験した話だ。あまり怖くないかもしれないが良かったら聞いて欲しい。
私はそのころ深夜のコンビニでバイトをしていた。そこのコンビニはちょっとした坂の上にあるのだが、当時車の免許を持っていなかった私は自転車で息を切らせながら通っていた。
149 本当にあった怖い名無し sage 2008/04/14(月) 03:23:35 ID:6ZuHkialO
その日もバイト先に自転車で向かったのだが、着いてみるといつものパートナー以外にもう1人別の曜日のバイトがいる。
おかしく思い確認してみると、私が曜日を間違えていたようだった。私の出勤日は日曜日であり、その日は土曜日だったのだが、その前日の金曜日が祝日で学校が休みだったために錯覚してしまったのだ。
私は損をした気分になったがバイトがない以上帰るしかない。だが、私はそこでふと寄り道をすることを思いついた。
150 本当にあった怖い名無し sage 2008/04/14(月) 03:25:25 ID:6ZuHkialO
バイト先の近くには隠れた夜景スポットとして知られる公園があった。九十九里平野を見下ろすことができ、元旦には太平洋から昇る初日の出を拝む人たちで賑わう。普段は素通りしてしまい立ち寄ることはない。この機会に一度夜景を拝んでみることにしたのだ。
公園の展望台は車道からは離れた場所にある。杉林に囲まれた道を抜け、展望台にたどり着いた。
151 本当にあった怖い名無し sage 2008/04/14(月) 03:26:51 ID:6ZuHkialO
そこからの眺めはなるほど、なかなか良いものだった。都会の夜景のような燦然ときらめく華やかさはない。しかし、穏やかな灯りが眠りにつこうとする街を見守るようにまたたく様は私の心を落ち着かせた。
しばし夜景に見とれていた私だったが、ふとおかしな音に気がついた。それは女の声だった。普段ならば気づきもしないような小さな声。しかし無人の夜の公園である。その声は澄んだ空気を震わせ私の耳まで届いた。
152 本当にあった怖い名無し sage 2008/04/14(月) 03:29:01 ID:6ZuHkialO
キ…エ……イソン…
最初はほとんど聞き取れなかったが、次第にはっきりと聞こえてきた。
キリエ……イソン…キリエ、エレイソン………
どうやら聖歌のようだった。しかしあたりを見渡しても人影は見当たらない。時間が時間だけに不気味に思い、立ち去ろうと思ったところでさらに奇妙なことに気づいた。
声が反響して聞こえるのだ。しかし展望台は開けた場所だ。音を反響させるようなものなど周りにはない。
153 本当にあった怖い名無し sage 2008/04/14(月) 03:30:47 ID:6ZuHkialO
そこで私は気づいてしまった。1人の声が反響しているのではない。複数の声が歌っているのだ。しかも数が徐々に増えてきている。女の声もあれば男の声もあった。
私はそれに気づいた瞬間言いようのない恐怖を感じ、自転車に飛び乗った。必死にペダルをこぎ、林道を駆ける。だが声も私を追いかけてくる。声はさらに数を増し、最後には大合唱で私の頭に直接入り込むかのようににガンガン鳴り響いた。
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