Categories: 短くて怖い話

空気が淀む場所

この怖い話は約 2 分で読めます。

今から7年前の話。

親父が急逝した関係で、元々住んでた家を引き払い、母親と二人で或る片田舎へ引っ越した。

親父が急に倒れてから、母親もオレも情緒不安感な状態で、喧嘩が絶えない日が続いた。
その日も、夜中に母親と口論になり、勢いで家を飛び出した。
ちょうど、8月から9月になる頃だったが、夜11時過ぎの田舎は真っ暗で静まりかえっていた。
1時間ほど散歩して頭を冷やそうと、引っ越してから2ヶ月、未だ歩いたことがない道を歩いていた。
家から10分くらい歩くと、突然「空気が変わる」道があった。

この地方の田舎でよく見掛ける「2戸1(ニコイチ)」の平屋の前の道が、尋常ではないくらい空気が歪んでいる感じがした。
余りに気味が悪かったので、足速にそこを通り過ぎた。
そして、翌日、母親からどこに行っていたかを聞かれ、その話をした。
3ヶ月くらい経って、もうだいぶ寒くなって来た頃、母親は青ざめて帰って来た。
近所の奥さんから、数年前、その「ニコイチ」で殺人事件があったと聞いてきたらしい。
引っ越してきたばかりで、何の先入観もないのに、そんな「雰囲気」を感じることもあるのかな。

bronco

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bronco
Tags: 散歩

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