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49 本当にあった怖い名無し 2011/10/31(月) 00:15:13.85 ID:SbWp6DlB0 BE:?-2BP(0)
なんとなく早く入らなきゃと思って先に一歩踏出したらSも入ってきて障子を閉め 俺の隣に並んで立つ
窓の前に机があって 置いてある小物から判断して多分小学生くらいの女の子の部屋なんだと思った
窓から外を見ると丁度Hの車が見下ろせる位置にあって 何故かはわからないが
もしここで幽霊が待ち構えてたら全部見えてたんだろうなーと思った 俺はこの時点でメンタル的に負け
その時また直感的にバッと後ろを振り返ると障子がちょっとずつ開いていく 独りでに
俺は目が離せなかった 音も立てず独りでに開く障子からなんとか目を逸らしSに視線で助けを求めると
Sは未だかつて見たこともない程に冷めきった目でその光景を眺めていた
障子が全部開ききって、誰のかわからない息遣いが聞こえた ―その時
Sが射殺すような鋭い目つきでソレを睨みつけてドスのきいた声で喋り出した
         「帰れよ・・・なぁ・・・」
人間同士の喧嘩と大差ない感じだったが 空気が違う 身体が凍って動けない
         「わかってんだろ・・・ホラ、帰らないとさぁ」
そう言ってSが拳を握り締めた瞬間
「ドタドタドタドタ!!」と音を立てて何かが階段を慌てて下りていった
数秒間沈黙があって玄関が「バァァアン!」と大音響と共に乱暴に開かれ
落ち葉の上を這いずるようにしてその「何か」が家から遠ざかって行く

50 本当にあった怖い名無し 2011/10/31(月) 00:21:13.20 ID:SbWp6DlB0 BE:?-2BP(0)
下の階のメンバーは完全にパニックになっている 疑問系の短文が飛び交っているのが聞こえる
だがその時の俺は混乱のあまり菊地真カワイイしか考えられなくなっており
シノヅカアツトって神だなーとか呆然と考えてた 体感時間にして約病院の待ち時間くらい
程なくして1階の酔っ払い達も大人しくなった  その静けさの中でSがボソッと
「許すわけねぇだろ」と乾いた声で言った 人生で一番強く恐怖を感じた瞬間だった
家の付近で「うあ゛あ゛ああああぁぁぁぁ゛ぁ゛あああああああああ!!」という女の叫び
何故か誰も音を出さない 耳が痛み気が遠くなる程の沈黙 ――その数秒後
「ぼぎ」 と鈍い音が聞こえて 落ち葉に何かが倒れた

Sは帰り機嫌がよかった

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