この怖い話は約 2 分で読めます。

「うわああああああああああああああああ!!!!」
お姉さんが叫んだ後一目散に逃げ出した。
俺は一瞬、恐怖で頭が混乱して腰が抜け、悲鳴を上げる事すら出来なかった。
尻餅をつきそうになったが、懐中電灯を持っているのは一人しかいないので夢中でAとお姉さんの後を追った。

外へ出ても三人とも駐車場まで猛ダッシュだった。
一旦息を整えて、三人固まって車まで早歩きで向かうと、近くで停車していた廃車のエンジン音が唸りを上げた。
ヘッドライトが、老朽寸前の蛍光灯みたいにチカチカと奇妙な点灯をしていた。
「────!!!」
身体が縮こまるよりも先に無心で車まで走った。

785 4/4 2008/04/27(日) 07:36:24 ID:G9HeZlEy0
車に着き、お姉さんは石原裕次郎の如く一連の動作で豪快に運転席に乗り込むと、
キーを挿しエンジンをかけた。
B級映画の様にエンジンがかからないという事はなく、すぐに発進出来た。

俺は「早くこの場から離れたい!」と心の中で連呼した。
そして車がホテルの敷地内を出ようとする時、
Aが覚えたての英語で「Hurry up!! Hurry up!! GO!!GO!!!」と叫んでいた。

国道の流れに乗って一安心したが、全員無言だった。
家まで送ってくれるとの事だったが、恐怖心が抜けなかったのと
その後語り合いたかったという事もあって、その日は無理を言ってA宅に泊めてもらった。

そんなこんなで終わり。
自殺者がいたとかの裏話は知らないが本気で怖かった。ちなみにあれは見間違いとかでは絶対ない。

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