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まぁ、本当のお楽しみはこれからだったしね。
家に到着し車のエンジンを切る。
何食わぬ顔で車を降りた俺と弟だったが、横目でしっかりと車の後ろへ回り込む親父の姿を捉えていた。
親父が後ろの手形を見つけた瞬間、「ヒィッ!」って叫び声を飲み込んだような声をあげた。
作戦は大成功だった。当然、俺と弟は吹き出しそうになった。
それでも堪えて、「親父どうしたんだ?」って聞いたんだよね。
しょうもないことすんな。って親父からゲンコツ一発はもらうつもりでいたけど、当の本人の様子は俺たちの予想とは大きくかけ離れていた。
真っ青になりながら、「いや、なんでもない…」って言って俺と弟の背中を強引に押し家に入った。
「なぁ親父…」と食い下がっても、「うるせぇ!」と一喝される。
過剰ないたずらに怒ったのかなと思ったが、やはりどちらかと言えば、心の奥底から怯えていると言ったほうが正しいだろう。
555 本当にあった怖い名無し sage New! 2008/04/03(木) 16:10:36 ID:+xt73bNuO
親父の話。(3)
「早く寝ろ。」と有無を言わせない命令をされた俺たちは、ネタばらしすることもできず、しかたなくそれぞれの部屋に戻った。
明らかにおかしい親父の態度のことを考えると、俺は眠れることはできそうになかった。
2時か3時ごろだったと思う。案の定眠れなかった俺はぼんやり外を見てた。すると庭の車に何か影が見えることに気付いた。
車の陰で動いているソレはここからではちゃんと確認できない。
妙な胸騒ぎがしたので、裏口からこっそり、足音を立てないように車が見える所まで行った。
車の後ろの影は明らかに人のものだった。
ぎりぎりまで近づいてようやく影が何かわかった。正体は親父だった。
親父がこんな真夜中にバケツと雑巾を持って、あの手形を洗い落としていたのだ。
しかもあろうことに号泣しながら。
遠くからだったので多少脳内保管が入ってるかもしれないが、こんな風に聞こえてきた。
「許してくれ…ウッ…頼むからゆるしてけれ、な…ゆっ(ゆう?)ちゃん…あの子らだけは…後生…恨むなら……」
何かに詫び続けながら車を磨く親父を見て、なんだか恐ろしくなり、俺は急いで家に帰り布団に潜った。
翌朝、何事もなかったかのようにおはよう、と起きてきた親父。それでも目には明らかに泣き腫らしたと見られる跡があった。
弟も昨日のことで釈然としないのか俺を問い詰めてきたが、深夜の奇妙な行動を話すとさすがに顔を強ばらせた。
結局、あれから一度も親父にはこのことを話していない。車の手形も綺麗さっぱり最初から無かったことになった。
そして例の心霊スポットには行くことはおろか、話すことも俺と弟の間ではタブーになっている。
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