この怖い話は約 3 分で読めます。

この段階で何かやばいと感じたが、怖いからダメというのも容認できるわけもなく、
公図に辺りをつけ「犬」と書き込み、山道を登る。

人の手が入るスギ林と違い、下草や笹が伸びており、視界が悪く場所を見失いそうになる。
山では所有者が違うと、植林した木の違いにより植生が変わるために土地の境が分かったりするものなのだが、
人の入っていないという山だけあって、まったくわからない。
かれこれ一時間は上ることになり、あれ?距離的におかしくねと思った。

865 本当にあった怖い名無し sage 2009/03/15(日) 16:42:07 ID:EoyPvcIo0
遭難したかとも思ったが、場所場所に見出しテープ(ピンクで目立つ)を結び、
伐採した跡が後ろにあるので戻るのは簡単なはず、
時間がかかるのは伐採しているせいと考え、先を急ぐべく進む、
すると突然、横道がつながり十字路になった。
公図上にも十字路があるので、これかと図面とにらめっこしていると、
子供の笑い声と、囃子歌のようなものが聞こえて来た。
地元の子がいるのかと思ったが、現地の人も入らない山、というか子供には入れないような荒れ具合。
ぞっと一気に冷汗が。

引き返そうと振り返ると、来た道の方の法面の上に気配がします。
そちらに気を取られていると十字路の方から「おっさんだれじゃ?」と声をかけられた。
ビクッとした次の瞬間、気配のあったところから、
昔の百姓ような恰好の男が鉈を片手に「ヌッッガァァァ!」と飛び出してきた(俺こけた)。
男は鉈でいつの間にか見晴らしが良くなっている道にいた、
昔の格好の子供たちに切りかかり、一人が血まみれで倒れ、
他の子らは泣きながら「鬼やぁ鬼やぁ」と逃げていく、
予想外の展開で身動きできずにいると、鉈の男が何かを叫びながらこちらに切りつけてきた。
とっさに出した鉈鎌にあたり、鉈鎌を飛ばされました。
「ヤベェってヤベェってヤベェって」パニック陥って、
走って逃げようとすると、すぐ後ろを笑いながら鉈で切りかかってきているのがわかった。

ふと気付くと完全に山の中、鉈鎌はなく、どこをどう来たかもわからない。
リュックに水筒などを入れていたので、水分を補給し一心地つく。
何があったのか整理もつかないまま、現地点がどこかを確認しようとすると、
そばに頂があるようでしたので、そちらにむかいます。
町道からそれほど外れているわけはないので、高いところからなら見えると思ったから。

866 本当にあった怖い名無し sage 2009/03/15(日) 16:43:07 ID:EoyPvcIo0
やはり着いたところは鉄塔の建設予定地である山のささやかな頂きでした。
下に町道が見え、さっきのは幻覚なんだと言い聞かせ、測量用の杭を設置しようとすると、
藪の端に供養塔みたいなのだいくつも…10基位目につきました。
苔むしている上に、昔の字は読めません、ただひときわ大きい石碑(1m程度)が
阿修羅を意味するカンマーンという凡字のように覚えている。
どうする、ここにするのか?と思っていると、誰かに見られているような気配がしんしんと。
殺意に満ちた、恨む、恨むぞって感じでいくつも視線を感じ始めました。

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